AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

コミュニティマネージャー・広報
うつみ まなみ

音楽とそれを楽しむ人で溢れる空間が好き。 旅とアートと食にも興味があります。

2020.02.11

人に会うたび、北海道が好きになる、楽しくなる。:札幌

和えて special

■想い

今年で北海道と東京に住む年月がちょうど半分になった。

今でも『北海道出身』と伝えると、必ずと言っていいほど「いいな」と言われる。
上京した当初は不思議に思っていたが、どうやらいいらしい。
当たり前だと思っていた大自然や新鮮な食材は、東京に長く住むにつれて特別感が増すようになっていた。

確かに、改めていい所。
ただ、道内に住む両親や友人は「東京に比べて何にもないよ」と言う。

何か興味があるものが出てきた時に、そのモノに触れるチャンスがどれだけあるか。
そもそも、興味がありそうなことに出会うために伸ばさなければならないアンテナの長さが、住んでいる場所で違いがあるとは感じていた。

『何もない』が、たぶん少し長く伸ばさなくてはならないアンテナや、チャンスを指すなら、今回のイベントは『ない』を気軽に『ある』にする、いいキッカケになるかなとワクワクしながら札幌に来た。

■アウタビ北海道キックオフイベント最終回

アウタビ北海道は、「人に会うタビ(旅/度)、北海道が好きになる」をテーマにしたプロジェクトとして立ち上がった。だからこそ、キックオフイベント「札幌、旅するトーク」最終回のテーマは「人に会う旅」になった。

前2回のテーマ(食、ものづくり)に比べて抽象的なテーマだから、参加者が集まるか少し不安だったが、結果的に椅子が足りるか心配になるほど集まっていただいた。全ての回に参加してくれた方もいるようで、開始前にも関わらず参加者同士で挨拶が広がっている。

ゲストスピーカーは、インタビュー人数1500人を超える札幌人図鑑の主宰者である福津京子さんと北海道移住ドラフト会議などを企画される株式会社大人代表取締役の五十嵐慎一郎さん。まさに「人に会う旅」をこれまでずっと続けられてきたお2人。

福津さんは、専業主婦から30代の時にコミュニティFMのパーソナリティとして15年、様々なインタビューをしてきたという。
その中で「この人に聞いて欲しかった!今悩んでいるあの人に聞かせたかった」と生放送のラジオに歯痒さを感じていたという。

いつでもどこでも、インタビューの内容を聞けるようにという想いから誕生したのが『札幌人図鑑』。

1人で毎日365日かかさず、動画をアップする。
誰にも頼まれてない仕事を毎日。
いや、今でこそ番組として制作会社から声がかかったので『仕事』だけど、1000回を越えるまで友人からは「このままでは、お金のかかる趣味になってしまう」と心配されていたらしい。

「一般の人の話で十分に元気や勇気がもらえるし、それを伝えていきたい」と語る福津さん。
仕事になったのは『たまたま』と話しながらも、頑張っていれば、他の人が自分の得意な事を見つけてくれ、得意な事や好きな事が仕事になることがあると伝えてくれた。

福津さんは、インタビューで相手を深く知りながら『自分』を見つけてきた方なのかもしれない。
人に会う旅は、自分に会う旅。

昔見た映画のシーンを思い出した。
住居を転々とする主人公に「自分探しの旅をしているのか?」と問う人に、「むしろ、探したくないんです。」と答え、主人公は淡々と仕事をするのだ。そして、仕事場でいい関係性ができ始めると引っ越す。
映画を見た当時は「旅と自分探しは関係性がないんだ」と解釈していたが、自分は周りの人によって、形成されていることを表した事だったんだと福津さんの話を聞きながら思った。

一方、五十嵐慎一郎さんは自分の事はよくわからないと言っていたが、自分の興味関心がある事には素直に行動する方だと思った。

すぐに大学には行かず海外を放浪したり、大学在籍中、建築に興味が出てきたので別の大学に入り直したりキャリアを聞けば聞くほど、その実行力に驚き憧れる。

私は大学進学の時に「本当に大学にいきたいのか」と考えただろうか。そうするものだと、自分に向き合わずに行動していたかもしれない。

その時その時、自分の気持ちときちんと向き合っているから、改めて聞かれると「よくわからない」という言葉になるのかもしれない。
五十嵐さんは新卒で入社した企業で、新たな出会いがある場所として、コワーキングスペース「the SNACK」を作った。
そこでも自分の興味ある事に関する人をゲストに呼んでイベントをしていたという。
初めは右も左もわからず、イベントに人が全然来なかった時もあったと言っていたが、自分のところでも、the SNACKのような場所をつくってほしいという声がかかり、仕事につながっていったと言っていたので、その場所は当初の狙い通り、企業家やフリーランスの方が繋がる雰囲気の良い場になっていたのだろう。

株式会社大人として独立してからは、『何か企んでいる』会社として、銀座の一等地の1平米のスペースをレンタルしたり、飛騨の地元スーパーにコミュニティスペースを作ったり、北海道のプロジェクトに関われる『札幌移住計画」や、『北海道移住ドラフト会議』をプロデュースしている。そして、時には自らが広告塔となり、下駄でダンサーと鎌倉から滋賀まで歩いてクラウドファンディングをしたこともあるらしい。

人に会う旅で得られるとこは「楽しさ」と答えられた五十嵐さん。誰かと何か新しいものを生み出すことが楽しいという。
自分が面白がれるかを大切にしているという言葉は、一瞬自分勝手に聞こえるが、これまで手掛けられてきた仕事を振り返ってみると、全て誰かが一歩踏み出す場を作っている。

誰かと誰かを繋ぐ事で人を応援することに興味を持っているということだろうか。楽しいなら、応援される側も気持ちよく頑張れる。五十嵐さんに仕事が集まらないわけがない。

トークの最後の質問「人に会う旅はお金になりますか」の質問に「仕事にはなる。だけど、仕事にしようとして、人に会うと上手くいかない」と言っていたのが印象的だった。
福津さんも大きく頷いていて、角度が違えど自分が起こした行動の先にいる、未だ見ぬ人との出会いに期待しながら生活をしている二人なのだと思った。

■これからこれから

アウタビ北海道は、始まったばかり。
道内に住む人同士、道外から旅行にやってくる人。各々が出会って、生活を楽しむようなそんなコニュニティーが生まれたり、人と人が繋がる体験がたくさん増えたりしてくれればと、臨んだキックオフイベント。

私もお二人のように、なにかやってみたい!と声をかけてくださった参加者の皆さんと共にさまざまな企てをしていこう。北海道に暮らすあの子が、趣味がないとぼやいていたのをイメージして、アウタビ北海道を盛り上げていこう。

そんな事を思いながら、東京へともどった。

うつみまなみ


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