AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

安岡 弥生
編集・ライター
安岡 弥生

大人になっても夢中になれるものを見つけたい!今日も頑張る27歳OLです。 憧れの人はオードリー・ヘップバーン。 弥生だけど本当は2月生まれ。

2020.01.13

19年10月18日 札幌、旅するトーク

和えて special

■運任せな旅と、石橋なキャリア

「旅するように働く」が今回の旅するトークのテーマ。

社会人になって5年目の私は、今でも仲の良い大学時代の友人と年に数回旅行に行く。日程と行先が決まると、いそいそと飛行機と宿を予約し、出発までの間何度か「楽しみだね」とメッセージをやり取りする。
そのささやかな時間の間に、私たちの性格の「差」が顔を出す。

友人は、「計画派」。行先が決まったらすぐにガイドブックを購入し、押さえておくべき魅力的な場所をピックアップしてくれる。おかげで私はロンドンで本場のミュージカルを鑑賞できたし、伊勢では素晴らしい朝日を拝むことができた。ちなみに伊勢神宮は早朝参拝からの赤福本店がオススメ。

対して私はというと「無計画派」。これは計画派の友人にとっては歯がゆいことかと思うが、よほど希望がない限りはあまり下調べをしない。「あの角を曲がったら何があるんだろう!」的な街歩きを楽しんでいるタイプ・・・と言っているが単に段取りが苦手なだけ。笑

けれどそのお蔭で、衝動的に駆け上がった階段の先に輝く、熱海の海に出会えたこともあった。

ということで、旅行ではずいぶん運任せな私だが、一方の「キャリア」という人生の旅では石橋を叩き、叩き、
そして結局渡らないというのが定番スタイルになっている。慎重に、危ないことをしないことが仕事の一番の目標となっていた。
そんな私にとって今回のタイトル、
「旅するように働く。素直に生きることへの憧れと、現実と、その価値と。」
はとても素敵に聞こえた。
今回お話いただくお二人には、働くことを通じて、私が旅先で巡り合う素晴らしい景色のようなものが見えているのだろうか。

■それぞれの旅するような働き方

会場に到着すると、大きな机をぐるりと囲む形で既に何名かの参加者が談笑していた。以前参加した札幌旅するトークの時よりアットホームで「井戸端会議」のような印象で少し安心する。開始時間になると20名ほどの参加者全員が揃い、暖かな拍手と共にホストの長谷川さん、そしてゲストスピーカーの原さんのお話が始まった。

旅するように働いているお二人は、プロフィールの紹介だって単純じゃない。ホストの長谷川さんは、高校を出たのちフリーター、短大、フリーター、そして当時交際していた彼女の進言によりユニクロでアルバイトを始めたそうだ。そこですぐに力を発揮し、24歳という若さでユニクロESTA店の店長、そして旗艦店となる銀座店の販促を担うほどどんどん出世されていった。
現在は「to.tomo」という屋号でフリーランスとして活動されている「複業家」である。
ちなみに、「ふくぎょうか」と打ってもうまく漢字変換されない。パソコンの辞書にもないこの新しい言葉は、長谷川さんのオリジナルの言葉で、つまり複数のお仕事を兼業している人のこと。なんと長谷川さん自身は名刺を7種類持っているそうだ。
長谷川さん曰く、「副業は仕事、複業は生き方」。
好きな人と好きなことを好きなだけしていて、仕事を仕事と思ったことがない、と笑ったのが印象的だった。

そして長谷川さんが今回のテーマに相応しい人とお呼びした原さんもまた、面白いエピソードに溢れていた。静岡県に生まれ、京都の大学を卒業後は就活もしないまま、バックパッカーとして世界を旅する。そんな旅先のインドで現在の奥様と出会い、後に奥様の地元・北海道に住むことに。
「旅は運命」というのも、奥様に出会ったことで、原さんの中に初めて北海道で暮らすという選択肢が生まれたのだとか。
札幌に移住後リクルートでゼクシィなどの制作ディレクターを担ったのち2012年に退社。現在は登別産グラスフェッドミルクのブランディングやライター編集業、情報サイト運営の他、道内を中心にさまざまな「売れるしくみ」をコーディネートしている。

原さんにとっては、今住んでいる北海道の景色に加え、生まれ故郷である静岡への思いも深いと話す。所縁の土地に草木のように深く根差しながらも、思いは飛行機のように遠くへ力強く飛んでいく、その考え方を大切にしたい。1枚の写真を見せてくれながらそう語ってくれた。

■答えは違い、想いは同じ

会は進み、自己紹介から質問コーナーに。スクリーンに並んだ9つの質問から、参加者が気になるものを選んで聞いていく。
中でも印象に残っているのが、自由に生きることの厳しさと苦しさを質問された時のお二人の回答だ。きっとこんな働き方、生き方のお二人だから、さぞ見えない苦労があるだろうと考える暇もないぐらい、即答で「ないです。」が返ってきた。正直、その答えに少し違和感を感じたけれど、お二人が素直な気持ちを話していることは、目の前に座っている私が一番感じている。

そして、質問が未来への展望に及ぶと、原さんはご自身のことを「波乗り人生」と表現してこう続けた。「波が思いもしないところへ連れて行ってくれる、そこに醍醐味があると思う。良い波が来た時に、乗れる準備をしておきたい。求められるならば、死ぬまで働いていたい。」

印象的なフレーズがあった後なのに、長谷川さんは、またも間髪入れずこう返してきた。
「僕は、働きたくないんですよ。死ぬまで」
その答えの速さと原さんとは対照的な答えで、思わず会場にも笑いが起こる。

けれど、二人の想いは同じだと感じた。

■ちょっと毒になる

それぞれに「旅するように働く」スタイルは異なるけれど、共通しているのは「好きなことを続けていること」「チャンスを生かしてきたこと」の2つ。

じゃあ、明日から好きなことをやれば生きていけるのか?チャンスが来たら乗っかれば楽しくやっていけるのか?・・・社会人5年生の私の答えはNOである。

「チャンスを生かして好きなことで生きていくためには、やっぱり特別な能力や経験が必要なんだって思ってしまったんです。」

素敵なお話の後なのに、一緒に来た人にボソっとネガティブなことを言ってしまったのは、偽りない私の気持ちだった。

旅は無計画に楽しめるけれど、やっぱり人生は無計画ではいけないと思っている。だって、旅が無計画で困らせるのは友人だけだけど、いやそれも本当には良くないんだけれど、私の仕事が無計画だと困らせる人の多さは計り知れない。そして、そう思ってはいるんだけど、旅するように働くことにも憧れがあることも嘘ではない。

そんな矛盾が、私の中でちょっと毒になった。

■目の前の波

その日はまっすぐ帰路についた。そして、今打っているこのレポートのことを考える。何を、どういう言葉で伝えよう。誰かにこれを読んで笑われたら嫌だなあ。

けれど、これを書いていること自体が良く考えたら私にとって「波」だった。

私は、「書く」ことがずっと好きだったのだから。そしてそのことを恥ずかしながらも宣言したからこそ、書く機会という波に乗ることが出来たのだ。

この波に私が上手く乗れるのか、そしてどこにたどり着くかはわからないけど、長谷川さんと原さんも波に乗る前はこんな気持ちなのかと思った。

安岡弥生


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