AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

20年度編集長
鹿子木 千尋

津々浦々と出会いを大切に旅をしています。 一つ一つの思い出を素直な言葉で綴れるひとになりたい。

2019.07.03

変わりゆくまちで、変わらない精神。原宿のはちみつが教えてくれたこと

和えて special

■変わらず輝き続ける街

「次は~明治神宮前~原宿でございます~」とメトロのアナウンスがかかり、席を立つ。久々にこの街を訪れる。実は中学生の頃、青文字系(原宿系)モデルに憧れ、前髪は眉毛の上でそろえ、丸眼鏡という恰好をしていた。学校では浮いていたが、この街にくると自分よりもっと個性的でキラキラした人たちが歩いていて、ワクワクが止まらなかったのを覚えている。竹下通りですれ違う女子高生に昔の自分を重ね、少しは大人になったなあとしみじみ考えながら通りを歩いていると、あっというまに本日の会場である「はらじゅくアッシュ」に到着。
今日は、私にとって、初めての旅するトーク。
昔から人と話すことが大好きで、会話の中で心に響いた言葉や学んだことをメモに残していた。大好きな言葉をくれた人たちの考え方や魅力はどれもエネルギーになり、生きる活力をいつも私に与えてくれる。そんな彼らの言葉を、もっと多くの人にも知ってもらうにはどうしたらよいだろう。そんなことを考えていた時に出会ったのが、旅するトークだった。

さて、今回の旅するトークのゲストは、原宿のはちみつ王とコーヒー王。
不動産業をされながら、竹下通り沿いのビルの屋上で養蜂を営む『Beetopiaはらじゅく』の羽根田さんと、原宿と渋谷にあるカフェ『ダブルトールカフェ』のオーナーである斎藤さんだ。
(斎藤さんの渋谷旅するトークはこちらhttp://storyandco.co/our-story/shibuya1/
お2人は大学の同級生であり、自然が大好きで、おいしいもの・体にいいものを作りたいという共通の熱い思いの持ち主。メカ好きという意外な一面持っているそう。いったいどんな面白いストーリーを伺えるのだろう。

■ウェルカムドリンクに舌鼓

会場に入ると、はちみつを連想させるような素敵な黄色いワンピースを着た綺麗なお姉さま2人(お手伝いの方)が、ウェルカムドリンクを作ってくださった。メニューは、斎藤さんのティープレッソを使ったティースカッシュか、羽根田さんのはちみつを使ったはちみつレモンスカッシュ。

悩んだ末、はちみつと山椒の入ったレモンスカッシュをチョイス。はちみつの香りが残る、優しい風味がたまらない。初参加でガチガチに緊張していた心もシュワっと溶けていった。

■次の100年に続け

はらじゅくアッシュの目の前、JRの線路を超えた先に広がる「明治神宮の森」。
森の創設からまもなく100年。今の森の姿は先代が作った森づくりの100年計画の通り、またはそれをも上回るものとなった。人の手によってつくられる森から、自然のサイクルによってつくりだされる森へと成長を遂げたのである。

親子3代でこの地を継いできた羽根田さん。成長を続ける神宮の森に寄付だけではない別の貢献のかたちを見つけたいと思い、原宿にいるからこそできる「地産地消」に目をつけたという。そして、「歴史ある神宮の森の花の蜜がただ雨で流されてしまうのはもったいない。ミツバチを中心に人が集まり、街の自然保護について考える機会を作りたい。」と、たどり着いたのが“養蜂”。代々この地を継いできた羽根田さんだからこそ、地域のこれからを考え導き出した答えだったのだ。

■愛と優しさの結晶

熱加工や砂糖を加えたはちみつが多く流通しているなか、羽根田さんは無加熱・無添加、何も加えないピュアなはちみつを作り出している。その背景には、羽根田さんのハチたちへの深い思いやりと、とっておきの工夫がある。
ハチの命はたったの1か月。昼は蜜取り、夜は巣箱の中の温度管理と不眠不休でずっと働き続けている。そんな働きもののハチたちに「少しでも元気に、快適に働いてほしい」と、羽根田さんは電気通信大学と協力し、温度計や湿度計・赤外線カメラ等のデータからハチたちがはちみつをつくりやすい環境の分析を行なっているそうだ。また、今年は生き物に良いとされているモーツァルトの曲をハチたちに聞かせてみたら、例年に比べ刺される回数も減り、ハチたちの気性も穏やかになったという。羽根田さんの愛ややさしさ受け取ったハチたちが、恩返しするようにピュアなはちみつを作り出しているのかもしれない。そんな風に思えた。

■はちみつ王・コーヒー王、渾身の一品

お話を伺いながら、お二人ご自慢の商品の試食会が行われた。

羽根田さんのはちみつをたっぷりとかけたミックスナッツ。

こちらのチョコレートは、斎藤さんがハワイの農園で栽培したカカオから作られたもの。チョコレートというよりもカカオを食べている!という感覚が楽しめる、芳醇な香りで深い味わいのチョコレートだった。自分でカカオを作ってしまう。しかもハワイで。というその行動力と強い思いに心打たれた。
また、今回、試食+お土産として持たせていただいたのが、羽根田さんと斎藤さんがコラボして作った、はちみつとカカオを使った新製品。はちみつもカカオもパワーがたっぷりとつく食材で、最近学校のテストやらレポートやらに追われパワー不足になっている私にとって、とても嬉しくありがたいお土産だった。

■変わりゆく街、変わらない精神

思わずこちらも熱くなり、取材だということも忘れるくらいに聞き入ってしまった初めての旅するトーク。今回の旅で一番感じたのは「挑戦・追求し続ける」ということのかっこよさ。いつも、何かを言い訳にして挑戦することを諦めることが多い自分に、お二人から「自分が納得するまで限界を決めずにもっと突き進んでいけ!」と、気合いを入れなおしてもらえた気がした。

鹿子木千尋


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