AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

早川 遥菜
編集長
早川 遥菜

ハンバーグが大好きと公言していますが、 「母の作る」ハンバーグが大好きなのです。 気持ちに素直な人であり続けるために、 今日も沢山の物語に出会います。

2018.12.02

18年12月2日 北千住、旅するトーク

和えて special

■知ったかぶりの名前

ごめんなさい、キタセンジュウ、だと思っていました。キタセンジュ、ジューって伸ばさないのか。知らなかった。

知っていると思っていても、意外と知らなかったり間違っていたりするから、やっぱり訪れてみないとわからない。まだまだ行っていない街がいっぱいあるなぁ…とぽつり思うところから今回の旅は始まる。

初めて降りた北千住は思ったより大きかった。駅が大きいと嬉しくなる。だってきっと街も大きければ迷子にならないはずだからだ。今日の勝負はどうやら私の勝ちみたい。

駅を出て、商店街をくぐる。乱雑に並べられた自転車、着なれた軽装で買い物袋を提げて歩いているおばさん、私はそんなどこか都会離れした街を見渡しながら、ぐるりと商店街の中を、地図の指す方向へと歩いてみる。小さな路地に入って、次は左に曲がって…あれ?なんだこの道は。

いつもお世話になっているアプリの地図が今日も変なところで私を到着させ、勝手に案内を終了してしまった。

ここはどこ…。

自転車に乗ったおじいちゃんが「チリン」と自転車のベルを鳴らしながら前に近づいてくるのに気が付いて、慌てて避ける。「また迷子になったんかあ」といわんばかりの、まぬけなベルの音。

結局お店に着いたのは開始2分前。既になんだかいい匂いがして、みんなとても楽しそう。さっそく出遅れてしまったかもしれない、そんなことを思いながら、しょんぼりと席に着いた。

■おひさしぶりです

今回のホストはNPO法人「Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN」で食を通して日本とタイをつなげる活動を行っている西田誠治さん。実は彼と出会うのはこれが初めてではなく以前コーヒーのワークショップの時にもお世話になった人で、「お久しぶりです!」と旅するトーク内で挨拶されたのは初めてのことだった。少しずつ仲間が増えているのをじんわりと感じて、なんだかとてもほこほこした気持ち。一回きりの出会いじゃ絶対言えない挨拶、「おひさしぶりです」。

また会えるなんて。ほんとうに嬉しいなあ。

今回の旅するトークは、日本中のタイ料理屋さんは知り尽くしているという噂も聞くほどタイへの想いが溢れる西田さんと、北千住で25年もの間タイレストランを経営されている坂本シェフ、そして今回の料理のメインとなる食材を提供してくれた鹿児島県長島町から、伊藤さんが来てくださっての豪華なトーク。

テーブルの上には何やら美味しそうな料理の名前がずらり。あれれ、「旅するトーク」という名前が入っているメニューも…。何が出てくるんだろう。

■タイがつなぐ人のものがたり

タイをフィルターに地域活性化を目指す西田さんと、地元、徳島の食材をタイ料理を通して発信していこうという思いを持つ坂本シェフは、お互いの想いに共感しあい、活動初期から一緒に活動をしてきたという。

今回は長島町が主役ということで、実際に現地を訪ねて生産者の想いを聴き、坂本シェフと相談しながら作られたのがこのメニュー。確かに「高橋さんの」とか「濱田さんの」とか知らない人の名前がメニューに入っているのは初めて見た。作っている人のことをリスペクトしているのが料理名からわかると、どんな料理が出てくるのかますます楽しみになってくる。

また料理だけではなく、今回はなんとお土産付き。しかもそのお土産は既にテーブルの上に置いてあるという。どれがお土産なんだろう…。なんと今食事に使っているこのお箸がお土産だというのだ。長島町の名産品である、「鰤王」というブランドの養殖ブリを食べるためだけに作られたこのお箸。

三角形の持ちやすい形と、舌に触れたときの木の滑らかな触り心地、そして何よりも「鰤王」というかっこよすぎるロゴ。伊藤さんは「鰤王」と書かれたTシャツも着ていて、地元愛が心から伝わってくる(そして私も欲しくなってしまった、今度Tシャツをゲットしに長島町に行きたいと思ってしまったほど)。おもてなしだけでなく、ゲストを喜ばせようとする伊藤さんの演出に心打たれてしまった。

■料理の魔法に掛けられて

タイ料理と鰤ってこんなに合うのか。日本の食材が坂本シェフによって魔法のようにタイの国の味に変わる。じゃがいもも、お魚も、わかめも。タイの人がこれを食べたらどう思うだろう。絶対気に入ってもらえるだろうな。もしかしたらタイで長島町の食材が使われるようになるかもしれない。或いは長島町に住む生産者の人がこれを食べたらどう思うだろう。きっと新しい食材の楽しみ方を知って感動してしまうと思う。坂本シェフの料理はどれも、誰かに食べてもらいたい、そう思ってしまうほど美味しいものばかりだった。

そして、お酒を飲める特権を持つ二十歳の私は、その特権を最大限に活用させてもらって、今回は鹿児島県の芋焼酎「島娘」に挑戦。今までは「焼酎は大人の味…」と思っていて(笑)、実は飲むまではとっても緊張していたけれど、恐る恐る口の中に含んだ島娘は、私の芋焼酎の印象を大きく変えるくらい本当に甘くて、優しい味。あっというまに飲み切ってしまった。

 

■タイ仲間に見守られて

今回のイベントでは、たくさんのタイに関わる方たちがそれぞれの視点でタイの魅力を話してくれた。

タイ北部ナーン県内の井戸から作られる天然のお塩をもってきてくれた人による塩土産争奪戦ゲーム。みんなで大盛り上がりしたタイのじゃんけんは残念ながら負けてしまったが、少しだけ味見させてもらった塩は優しい味がして、いつまでも味わっていたいと思える美しい塩だった。

また、タイ国の宮廷料理を飾る技として知られる伝統工芸「カービング」の先生たちが、今回のイベントのために作ってくれたスイカのカービングもよりイベントを華やかにしてくれた。好きなものが同じもの同士が集まるとこんなに温かい空気になるんだなあ。

■北千住がくれた宝物

お腹と共に心も満たされ、楽しかった3時間の旅も、あっという間に終わりの時間。

そして帰りにびっくり。今までずっと隣でお話しながらご飯を食べていた方が、私と地元が一緒だったのだ。

私の高校の応援歌を歌える人と北千住で、いや「旅するトーク」で会えるなんて、奇跡を通り越して感動でいっぱいだった。タイ料理を楽しんで、鹿児島の芋焼酎を飲んで、地元の話ができるなんて、なんだか3時間という短い時間でたくさんの街、いや国を超えて旅をしてきたみたい。人との会話は、共通した街を通して懐かしむこともできる。

「またお会いしましょうね」こんな挨拶でお別れができることほど嬉しいことはない。旅するトークで出会ったこれまでの人たちは私にとって宝物。きっとあなたにとっても宝物ができる機会になるはず。北千住はそんな宝物をたくさん私にくれる温かい街だった。

早川遥菜

早川遥菜


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