AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

副編集長
前口 祐喜子

札幌生まれ、横浜育ち。海とカメラとカフェが好き。

2023.06.22

NewMake×酒井美香ー靴への愛と敬意を込めて、自由なモノづくりー

和えて special

株式会社 Story&Co.は『想いの交差点』を創出する新たなプログラムを2021年7月にスタートしました。サステナブルなファッションコミュニティ「NewMake(ニューメイク)」です。大量消費・大量廃棄を余儀なくされ る現代のファッション業界に一石を投じる試みとして、パートナー企業から提供して頂いた洋服や雑貨を利用し、 新たな価値作りに挑んでいます。その拠点となる「NewMake Labo(ニューメイク ラボ)」には個性溢れる作り手・NewMaker が集まり、ものづくりと向き合っています。
私たちはこのシリーズで NewMaker の 1 人 1 人 にスポットを当て、そのルーツや想いを探ります。そして服を通じて大切な想いや物語のバトンを繋ぎ、新たな価値を生み出す NewMaker の魅力を発信していきます。

NewMake について語るときに NewMaker の語ること。
2023年4月15日〜4月30日まで、東急プラザ表参道原宿にて開催された「100Sneakers100NewMakers 2023 “Journey”展」。今回は本展示会のコンテストでグランプリを受賞した酒井美香さんのインタビューをお届けします。
アパレル企業で営業として働きつつ、靴作りをされている酒井さん。靴作りに対する思いや受賞作品について伺いました。

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NewMaker PROFILEー酒井美香(さかいみか)ー

服飾専門学校のクリエイター科を卒業。現在はアパレル企業で営業として働いている。
一方でRECOUTURE(リクチュール)との出会いを通じ、靴作りをスタート。
2023年4月東急プラザ表参道原宿にて開催された「100Sneakers100NewMakers 2023 “Journey”展」では出展作品「パッチワークチェア」がグランプリを受賞した。
酒井美香 Instagram:https://www.instagram.com/09mika90/

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■ 靴作りとの出会い

ー現在メインで取り組まれているお仕事について教えてください。

服飾専門学校のスタイリスト科に1年在籍したあと、クリエイター科に転入して卒業しました。
卒業後はアパレルの販売員として就職しましたが、転職し、現在はアパレル企業の営業をしています。ECサイトの出店ブランドの売り上げを分析し改善策を提案するコンサルティングなどをしています。普通に暮らしていたら関わり合えない人たちと対等にお話出来たり、新しい商品を事前に見れたりするところが楽しいです。

ー靴についての知識や技術はどこで学ばれましたか?

RECOUTURE(リクチュール)というスニーカーカスタムショップが大好きでよく訪れていました。顧客として通っていたんですけど、去年くらいからワークショップが始まったんです。ワークショップに参加したら、作ることがどんどん楽しくなって。週末に頻繁に通っていたら、人手が足りない時だけお手伝いするようになりました。そこでたくさんのことを学びました。
オーナーの廣瀬さんの技術がとにかく凄い。知識も深いんです。

ー靴作りのどんなところが楽しいですか?

私とレザー用のポストミシンの相性が良いみたいで、やってて楽しい。とにかくやりたくてしょうがないんです。
洋服の場合はほつれがある時にはロックをかけたり、肩などを縫う時は布を寄せたり、アイロンで形作ったり、ピンをとったりして縫わないといけない。でもレザーの場合はレザーが伸びるので、ロックをかけなくていいし、指で伸ばしながら形を合わせていくことが出来ます。私はそのほうが作りやすかった。物を使わなくても、自分の手で形を変えられるところがおもしろいです。

ーお気に入りの作品はありますか?

お気に入りはパッチワークのジャーマントレーナーです。
オーナーが作ったパッチワークの作品をみて、自分なりのものを作りたくなりました。
そこでRECOUTUREにあった残布を使って、三角に切り抜いて生地を作って、それから型を抜いて作りました。お揃いの生地でカバンも作りました。

左がジャーマントレーナーの写真。右はバッグ。どちらも非売品です。

「100Sneakers100NewMakers 2023 “Journey”展」の出展作品”パッチワークチェア”について

「100Sneakers100NewMakers 2023 “Journey”展」に出展を決めたのは何故ですか?

時間がある時に作りたいものを作っていたんですが、スキルアップのために目標が欲しくなりました。今まで出来た作品はRECOUTUREにくるお客様や知り合いに見てもらうだけだったので、もっといろんな人に見てもらったらどういう評価が生まれるのか知りたかったんです。そんな時期にInstagramで「100Sneakers100NewMakers 2023 “Journey”展」の参加者募集を知り、出展を決めました。前回の100Sneakers100NewMakersもInstagramで見ていたんです。出展作品を見ながら、自分もチャレンジしてみたいと思っていました。

ー「パッチワークチェア」を作ろうと思ったのは何故ですか?

「100Sneakers100NewMakers 」の制作要件は廃棄されるスニーカーをアップサイクルして作品を作ること。
アップサイクルの意味を考えた時、新しい物を付け加えることは違うと思ったんです。だから捨てられるもの同士を組み合わせて新たな形に作ろうと思いました。
では、スニーカーと何を組み合わせるのか?そこで頭に浮かんだのが椅子でした。
以前、別の形で椅子の皮を作っていたのですが、今回の作品のような形の椅子はトライしていませんでした。だからジモティーを使って廃棄予定の椅子を探すことから始めました。
ゴミ処理場の人もジモティーしてるんですよ。0円で見つけて取りに行きました。すごく遠かったんですけどね。笑

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