AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

白水 美里
編集・ライター
白水 美里

生粋の道民。北海道の冬は苦手だけど、夏が素敵すぎるから、やっぱり北海道が好き。トマトとまちづくりとワクワクしてる人が好き。

2020.02.02

19年6月20日 札幌、旅するトーク

和えて special

小さい頃からずっと文章を書くのが好きだった。

SNSでの発信もずっとしてこなかった私が、今回こんな文章を書くことになったのは、はじめて人前で「文章を書くのが好きなんです。」ってぽろっと言ったことがきっかけ。

大学時代は、道内のいろんな場所に出かけて、札幌が、北海道が好きになった。

札幌を面白くしようと立場を超えて活動する阿部さんに出会ったことも、北海道で暮らす人の魅力で、もっと北海道を好きになる人を増やそうというアウタビ北海道と出会ったことも、そんな想いを持って、少しだけ動いてみたことがきっかけ。

そんな繋がりで、はじめてレポートを書くことになった『札幌、旅するトーク』に向かう途中、今日のトーク内容のことを考えていた。

25歳になって、少しずつ身近になってきた結婚式は、幸せいっぱいで、人生に1回で、憧れってイメージ。

たどり着いた会場は、札幌の中でも新しいピカピカの施設で、そこにいたのは結婚式場のイメージを背負って立つ、ばっちりスーツにシュッとした出で立ちの人。

これは、想定以上に眩しいイベントになるんじゃないかと思っていたら、そんな想像はいい意味で裏切られることとなった。

■アウタビ北海道×SAPPORO FUN℃

今回のイベントは、アウタビ北海道とSAPPORO FUN℃のコラボ企画。

ホストの阿部さんは、札幌市で職員として働きながら、札幌近郊の若手社会人を集めたコミュニティSAPPORO FUN℃を立ち上げ、札幌を楽しみ、学ぶイベント等を企画している方。札幌が大好き。あと、奥さんも大好き

そして、アウタビ北海道は、『人に会うタビ、北海道が好きになる』をコンセプトにした取組み。

初のコラボ企画となるトークイベントのゲストスピーカーを選ぶとき、阿部さんは今一番会いたい人を選んでくださいと言われて、真っ先に思い浮かんだのが酒井さんだったそう。

ゲストスピーカーの酒井さんは、ヒルサイドクラブ迎賓館札幌の現支配人で、阿部さん夫妻の結婚式を2年前に担当したウェディングプランナー。そんな酒井さんが分析する自身の強みは3つ。結婚式の仕事をしていること、ピアノ弾き、英語の先生。この3つの強みをキーに、熱量あふれる酒井さんのお話しがはじまった。

■エネルギーを持って帰って!

酒井さんの第一印象は聞き上手の場づくり上手。

何かしらエネルギーを持って帰ってほしいということで、なにを聞きに来たのか?何を持って帰りたいのか?とご自身が話し始める前に、まず質問を投げかけてくれた。

参加者からは、「支配人という立場やその背景から学びを得たくて」「アウタビ北海道とSAPPORO FUN℃を応援したいという気持ちで」「結婚式場で働いていたこともあって興味があって」など数人に聞いただけでも様々な理由があった。

酒井さんが「今日話すことによって、琴線に触れる言葉、ささる言葉があって、ここに来られた方が、一歩を踏み出すきかっけになればいいなと思う。だから、何を聞きたいのか教えてほしい。」と私たちに熱量を持って想いを伝えてくれたから、それに応えるように言葉が出てきたんだろうと思ったし、振り返ると、対話から、相手が求めている本質は何か?を拾い上げ、それに応えていくという酒井さんのスタイルがイベントのスタートから表れていた。

■キーワードは「共感」

人はその人の背景に共感して、応援したくなる。という酒井さんの言葉を受けて、まずは酒井さんの背景から。

大学卒業後、飛び込み営業、塾の英語の先生を経て、今のTAKE and GIVE NEEDSに就職。TAKE and GIVE NEEDSでは「人の心を、人生を豊かにする」という理念のもと、新郎新婦やその周りの人たちの未来を豊かにしていく結婚式を作り出している。

酒井さんは、チーフとして若手スタッフの教育をしていく中で、その子たちの背景や頑張りに触れ、それまでの「自分さえ結果を残せれば良い」という考え方から、「部下たちをなんとかしてあげたい。」、「この子たちがお客様からいっぱい“あなたが担当してくれてよかったよ”という言葉を貰って欲しい。」という考えに変化していったそう。

ちょうどそのタイミングで、支配人をという話がきて、「札幌で」「この会場で」「僕だから」できること、この店舗でこの子たちのための環境づくりをしたいからという想いで、この4月から支配人になった。

今、酒井さんの式場のキーワードは、「共有」と「共感」。

式場では、「二人の結婚式をめっちゃ素敵にすること」がみんなの共通のゴールなのに、料理人さんや会場スタッフそれぞれが自分たちの立場からしか物事が見えていないと、互いの主張や正義がぶつかり、同じはずのゴールにたどり着けなくなってしまう。

だから、酒井さんは、各セクションの主張をとりまとめ「共有」し合うこと、新郎新婦のみならずスタッフたちの背景や想いに「共感」することで「めちゃくちゃ良い結婚式をお手伝い出来る環境にする」ことに力を注いでいる。

「大変なこともたくさんあるけど、この子らの成長を見られると本当にうれしい。」「いい環境をつくるためには、もっと勉強をしていかなくては。」と語る酒井さんは、激務の中でもお客様や部下を大切にし、自身も成長を続ける、芯を持ったプロフェッショナルだった。

■大切なものはなに?

酒井さんにはきっとファンが多い。

ホストの阿部さんと奥さんもそうだし、今回のイベントには酒井さんが担当したお客様も来ていた。

こんなに人を惹きつける酒井さんの魅力は、素敵な結婚式を創り出してくれるところだけじゃなくて、その人が自分に向き合うきっかけを作ってくれるところだと思う。

酒井さんの接客スタイルは、結婚式を表面的な華やかさで終わらせず、問いを重ねて、深く深く潜ってその人の本質や「大切にしているものはなにか?」を見つけ出し、形に繋げるというもの。

阿部さんも、酒井さんについて「う、、と言葉に詰まるぐらい、酒井さんからの質問で自分の中身を絞り出してくれるから、成長できるかもと思った。」そう。

「『価値』とは、『自分が選ばれる理由』ということ。“この人だから”に価値がある。」と酒井さんはお話されていたけど、新郎新婦は、酒井さんの問いを通して、結婚式という人生の節目で自分たちを振り返り、お互いの大切にしているものに気付き、改めて向き合うきっかけをもらえることにも他では味わえない「価値」を感じているんじゃないだろうか。

そして、その一緒に見つけた大切な想いを、酒井さんや式場のスタッフが形にしてくれて、その人達が本当に大切にしたかったものがキラキラする結婚式を創り出すから、関わった人の心を、人生を豊かにする結婚式ができるんだろう。

■引き出しを増やせ

私が印象に残ったのは、ピアニストとしての酒井さんのお話。

酒井さんは、多忙な中でも月に1回コンサートを開き、ジャズピアノを演奏している。

ジャズピアノって自由な演奏というイメージがあったけれど、酒井さん曰く、実は自由に弾いてるというわけでもないらしい。

ジャズは、自分の中に引き出しを作っておいて、その引き出しから場に応じて良いものを取り出して、組み合わせて演奏しているそう。そして、その引き出しは、もちろん多いほど表現が豊かになる。

引き出しを増やす方法は、良いと思った演奏をパクりまくること。何回も何回も練習してパクりまくること。

これって、ジャズだけじゃなくて、いろんなことに応用できる気がした。こんな風になりたいって思う人や、自分がやりたいことを実現している人をパクってパクって自分の技術や知識として習得していけば、目指すものになれるはず。誰か×誰か×誰か…の技術は自分だけのオリジナルになるし、何度も何度も繰り替えしていくうちに、自分だからできる「価値」あるものを作れるようになるんだろう。

■やる気スイッチ

この出会いを通じて、今日からやってみたいことが2つ生まれた。

1つ目は、「問う」ことで本当に大切なものを見つけ出すこと。自分のこと、関わる人のこと、周りの環境のこと、なんとなく受け身だったことも今までたくさんあったけど、「なにを大切にしたいのか。」「今なにをしたいのか。」「なにを求められているのか。」大事にできていなかった本質にまずは向き合うことで、酒井さんのような芯のある人に少しでも近づきたい。

2つ目は、お金をためること。大切な人と一緒に、自分たちの周りの人も幸せにできるような心に残る素敵な結婚式をしたいって、酒井さんのお話を聞いていたら思ってしまったから。

酒井さんの「やる気スイッチなんてない。やる気は行動して起こすんだ。」という言葉が胸に刺さっている。今日からまた頑張ろう。

白水 美里


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