AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

早川 遥菜
19年度編集長
早川 遥菜

ハンバーグが大好きと公言していますが、 「母の作る」ハンバーグが大好きなのです。 気持ちに素直な人であり続けるために、 今日も沢山の物語に出会います。

2018.09.02

田島佳幸さんの『美味しいコーヒーの入れ方とバリスタの可能性』

会えて report

赤坂に降りたつと、道行く人がせっせと忙しそうに歩いていた。

左手には小さなバッグ、右手には、テイクアウトカップのコーヒーを持って。

どこのお店のコーヒーなのだろう、見たこともないおしゃれなカップに入っている。そういえば、コーヒー屋さんって、この街にはどのくらいあるのかな。

そんなことを考えたのはストーリー(体験)の舞台となるカフェ「COURTESY」のせいかもしれません。

透明ですっと佇むお店の入口に立って、少し深呼吸。あっ、ちょっとビターで大人の、だけどほっとする匂い、してきました。

今回のホストは、「パンとエスプレッソと」「WHY NOT Specialty Coffee &」など様々な形態の飲食店を手掛ける株式会社 COURTESYでヘッドバリスタをされている田島佳幸さん。

お昼はベーカリーカフェ、そして夜はフレンチレストランに変身するという店内を見渡すと、壁にある大きくて鮮やかな赤い色の絵や、空間を利用したアート感漂う展示物に、思わずカメラを向けてしまいます。

最初にゲスト(参加者)による自己紹介と、ホストの田島さんを始め、COURTESYのスタッフさんたちの紹介。何とゲストの中にはコーヒーが苦手な方もいらっしゃったのですが、そんなコーヒーが苦手な方も、ここのコーヒーは初めて飲めたといいます。お客さんとして普段利用している人でもこうしてワークショップに参加することで、よりお店やそこで働く人と近い関係になれるのも嬉しい。

けれど、実は私もコーヒーが飲めるようになったのは最近のことなので、ちょっぴりどきどきしていました。

他のゲストには、これから実際にカフェを出店しようと考えている方など、参加した理由もさまざま。いろんな思いをもって偶然集まった出会いが、既にほんのり温かい雰囲気になっているのがなんだか不思議です。

初めにCOURTESYで企画を担当されている西田誠治さんが、今回の企画についてお話ししてくれました。AND STORYでは「美味しいコーヒーの淹れ方とバリスタの可能性」というタイトルですが、元々は「ふるさとコーヒー」という名前を考えていたのだそうです。

西田さんは個人の活動としてNPO法人を運営しており、そこではタイと日本を「食」を通してつなげる活動に取り組まれているなど、人と地域を結びつける交流を普段から大切にされている方。「ふるさとコーヒー」でも「自分の地元でカフェを経営したい」とUターンを考えている方や、「結婚や出産で一度は離れてしまった社会にもう一度復帰したい」という方など、自分と、自分を取り巻く環境や地域に悩んでいる方のためになればと考えたそうです。

次に、実際にカフェ開業を経験された菊地さんが体験談を教えてくれました。大学在学中にカフェを経営することを決め、アルバイトで貯めた資金をもとに、卒業と同時にカフェを設立。しかし料理やコーヒーの淹れ方、仕入れの方法、何より広告やPRの対策をきっちりと立てていなかったことで痛い思いをしたという体験談を聞くことで、実際にカフェを経営されようとしているゲストにはとても参考になっていたようです。

そしてお話しの最後はホストの田島さん。これまでお話しいただいた2人も物語に溢れていましたが、田島さんもすごい物語の持ち主。なんと、企業でエンジニアとして働いており、海外赴任まで経験するようなすごいキャリアを持ちながら、イタリアで出会ったバリスタのおじさんのカッコいい佇まいに引き込まれ、バリスタを志すようになり今に至っている方なのです。

そんな憧れから始まった田島さんのバリスタ像は、美味しいコーヒーを淹れることはもちろんのこと、お客さんとのコミュニケーションが大事だと言います。お客さんを大切にすることで、自然と淹れるコーヒーも変わってくるのだそう。

カフェを経営することから、バリスタというお仕事までふんわり理解した私は、次にハンドドリップコーヒーを淹れる体験をすることに。カウンターに丁寧に並べられたハンドドリッパーを使って、一人一人コーヒーを淹れてみます。

美味しいコーヒーの淹れ方、それはきちんと「測ること」がポイントなんだそう。

コーヒー豆に対するお湯の量と、お湯を注ぐ時間。注ぐ場所。ただ注ぐだけではなく、間隔を取って、ゆっくり、しっかり、丁寧に、注いでいきます。

こんなに気を付けてコーヒーを淹れるのは初めてで、息をするのも忘れてしまうくらい。

出来上がったコーヒーをみんなで飲み比べ、そしてびっくり。

コーヒーが苦手な私でもわかるくらい、淹れる人が違うだけで、全く違うコーヒーが出来上がりました。

私のコーヒーは、どちらかというと酸味が強くてさっぱりとした感じ。飲みやすいくらいクセのないコーヒーを淹れた方もいれば、しっとりとしたコーヒーの方もいて。同じ分量、おなじ豆を使っているはずなのに、どうしてこんなに違いが出るのだろう。コーヒーという飲み物の奥深さに感動です。

コーヒーの魅力をとことん味わい尽くしたら、今度は赤坂から神楽坂にある系列店「WHY NOT Specialty Coffee &」というお店に移動し、今度は実際に営業中のお店の中がどのようになっているのかを見学しに行きました。赤坂ではお休みのカフェを利用してゆっくり講座・講習を受けた後に、オープンしているお店の様子を見て、実際の運営を学べるというのがこの体験の面白いところ。

そして移動の電車の中でも会話が弾む私たち。出会ってたったの2時間しかたっていないのに、コーヒーが紡ぐ私たちのお話は、いつまでも冷めることがありません。

移動時間も余すところなく楽しんだ私がたどり着いたお店は、落ち着いた雰囲気が印象的なおしゃれな場所。

わたしたちがここで教えてもらったのは実際に接客しながらコーヒーをどんな風に淹れているか。

赤坂で教えてもらったコーヒーの淹れ方を実際に従業員さんがしているのをみて、思わずにんまり。

特別にコーヒーとクッキーを提供する接客体験もさせてもらい、よりカフェを自分でやる心構えが整ってきました。

神楽坂の小さなお店では、どんなに美味しいコーヒーを淹れられても、お客さんとの繋がりがなければコーヒーは味を失ってしまうこと、小さなコミュニティで繋がる会話や関係性が、自分にとって大きな価値につながる。そんなことを教えてもらいました。

淹れる人によって、淹れる時の気分や感情によって、味わいも、匂いも変わってしまう、そんな繊細で優しい飲み物、コーヒー。

優しい人が淹れるコーヒーを飲めば、優しい気持ちになれる。

どんな仕事をするにしたって、田島さんのいうバリスタのように、美味しいものはもちろんのこと、優しい気持ちを提供できるようになりたいと感じたストーリー。

カフェをやりたい人も、お家で飲むコーヒーを美味しくしたい人も、最近優しさが足りないと感じている人も、田島さんのストーリーに出会ってみてはいかがでしょうか。

田島 佳幸さんのストーリー(体験)はこちらから
美味しいコーヒーの入れ方とバリスタの可能性

 

文:早川遥菜

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