AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

うつみ まなみ
コミュニティマネージャー・広報
うつみ まなみ

音楽とそれを楽しむ人で溢れる空間が好き。 旅とアートと食にも興味があります。

2018.12.22

18年12月22日落合、旅するトーク

和えて special

◾️久々に落合に降り立った

落合は一回だけ降りたことがあった。
大学生の時、母の友人のマンションを見に行ったのだ。家賃を安くするから、自分が引っ越した後に住まないか。というありがたい提案だったが、結局、住む事はなかった。
上京したてだった私にとって落合のアットホームな雰囲気は、自分が想像するネオン輝く都会暮らしとは違っていたからだ。
あの時ぶりだな。
そう思いながらメトロの階段を上がった。出口が違うのか、記憶していた商店街は見つけることが出来なかったが、アットホームな雰囲気は変わらないなと思った。
昭和に建てられ、家主に大切にされてきたんだろうと感じる家が多い。柑橘の匂いを感じて目を向けると玄関横に大きな実をつけた木があった。その先の公園では子供たちが遊具で遊んでいた。

◾️染物の街が東京にあるなんて

「落合、旅するトーク」のイベント告知で、落合が、染物の街だと始めて知った。
東京に染物の街があることに驚いた。
今回のホストは、社団法人染の里おちあい代表理事の高市さん。
結婚し子育てをしながら落合で生活をしており、ギャラリーやイベント企画など、落合を盛りあげる活動をしている。
キッカケは出産を機に仕事から離れ孤独を感じ、友達作りになればという想いから、フリーペーパー「おちあいさんぽ」を作りはじめたことらしい。
フリーペーパー作りで生まれた地域との繋がりの中で、今回の会場である二葉苑の代表に出会い、落合の染物の認知度低下について相談されたことで、現在の活動が始まったと、高市さんは教えてくれた。

昔は、工房近くの川で染物を洗っていたらしい。それが昭和30年半ばに禁止になり、工房の中に洗い場を設け、そこで作業をするようになった。
川から染物が無くなり、街に暮らす人たちもその光景を見かけなくなったことで、人々の記憶から染物の街としての落合という認識が薄れていったんだろう。
高市さんは、その認知度を向上させるためにイベントを企画した。100件以上の店を周り説明するも、最初は100パーセント賛同を得たわけではなかったと、当時を振り返る。昔気質な染物職人さんと街でお商売をされていた方の相性が関係していたらしい。そんな中でも賛同してくれたお店さんと一緒に「染物小道」を2011年から開催。
イベント期間中は、参加店舗の店先には染物作家さんの暖簾がかかるという。染め体験やワンコイン着付けなど、染物を身近に感じる体験を多く企画することで、当初の来場者数は5000人ほどだったが、昨年には約1万7000人が訪れるようになった。当日は、落合の街が着物姿の人たちで溢れているらしい。
自身と地域コミュニティー。染物工房と商店街。染物作家さんとイベント参加者。染物を分かりやすい表現に変えながら、様々な人を繋げていく。
高市さんは、通訳者のようだなと思った。生まれて育った街ではないからこそ、その土地に愛をもちながらも全体を俯瞰ができ、一緒に良い方向へ歩まれてる印象を持った。私も高市さんのような女性になれるように頑張ろう。

◾️染物体験が始まった

目の前には、赤、青、緑を始め全6種類の染料とハガキが用意がされた。染料をハガキに塗って、絵葉書を作る。図柄は数種類。穴の空いた型を重ねて絵柄を転写する。
高市さんは筆につけた染料はごくわずかでいい、試し書きをして色が掠れるぐらいになったら、型の上で円を書くように色をのせるとアドバイスしてくれた。
アドバイスしてくれたのにも関わらず、私は欲張りらしい。量が多すぎて描いた花火の花びらが潰れてしまった。少し心が折れかけたけど、普段手にすることのない筆で色のせていく作業は楽しい。同じことを思ったのか、次は浴衣などに色をつけたいと言っていた方がいらっしゃった。
ほかの参加者の方々は一色でシックに、色鮮やかにハガキいっぱいの絵柄など、綺麗な絵葉書を完成させていた。

◾️染物をつくること。コミュニティをつくること

手のひらに収まるサイズの色付けでも大変だったけど、職人の方は10メートルほどある布にどんどん描いていくという。
工房には部屋いっぱいに広がった染物が次の色を塗られるのを待っているかのようにピンと張ってあった。大きな染物を作成するときは、デザインを考え、次にイメージと同じ色を作る。この色を作る作業もまた大変だと言う。部屋の明かりにも気を使っているそう。一度、部屋の蛍光灯が一部切れたので、急遽購入して付け替えたところ、その光の下にある部分だけ、全体が青みががって見えてしまい大変だったと教えてくれた。

川(水)と光と染料の植物。当たり前と言ったらそれまでなんだけど、昔から続いているものは自然との関係性が濃密だ。恩恵をありがたく受つつ、時には様子を見て距離感をはかっていく。
高市さんがされてるコミュニティづくりにも共通している気がした。2月に開催される、染めの小道に行くことを約束して、二葉苑を出た。外はすっかり暗くなっていた。
落合に住まなかったこと、ちょっともったいなかったな。そんなことを思いながら、駅までの帰り道を歩いた。

内海麻奈美


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