AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

AETE編集部からのお便りです。また正式なAETEの書き手では無いけれど、1度書いてみてくれた書き手たちの記事も載せています。その場合、各記事の書き手は文末でご確認頂けます。たった1度の物語でも、AETEは大切に綴っていきます。

2019.04.06

19年4月6日市ヶ谷、旅するトーク

和えて special

■春の交わり

私がこれまで参加してきた旅するトークは、ほとんどが初めて訪れる場所だった。今回の舞台である「市ヶ谷駅」も初めてだったので、電車の中では電光掲示板に映し出されれる「市ヶ谷」の文字を見逃すまいとずっと眺めていた。
外は青空と交わりながら桜が舞っていた。私の視線もまた、初めての駅を降りたワクワク感で体がふわりと空を舞うようだ。そして、会場までの地図を見ながら新しい空気を吸うように深呼吸をして向かった。
思っていたよりも早めに会場に着いたので、ゆっくりとこの街の景色と共に流れる人々を観察することにした。近くでは入学式が行われていたらしく、ピシッと制服を着ている新入生や、一方で新しい道に向かって一歩ずつ階段を上る就活生もいて、色んな「新しい」交わっている感じ。春だなあ。
旅するトークの開催にぴったりな穏やかな日。

■そこは、もう、タイだった

エレベーターに乗り3階でおりると、そこには普段見かけないカラフルな色の壁と温かみのある雰囲気が出迎えてくれた。
私はタイという国に行ったことはない。それでも、これがタイなのか、と納得してしまうほどにお店の雰囲気は統一感があった。みなさん、想像してみてください。自分の行ったことのない国を市ヶ谷で体験できた、この凄さ。まるで、本当にタイに来てしまったかのような感覚…。エレベーターに乗った5秒後にわかるこの感じ、ぜひ一度感じてもらいたい。

イベントの開始時刻よりも前から、旅するトークは既に始まっているようだった。近くの席に座っている始めての方とも気軽に話せるのは、タイの雰囲気に魅了されているからなのだろうか。会場では既に、井戸端会議とはこのことか!思わせるかのような盛り上がりを見せていた。

さて、今回の旅するトークは、タイのホテルや有名店で腕を磨いたシェフによって本格的なタイ料理を味わうことができる「オールドタイランド市ケ谷店」。今回は創業者であり社長でもある川口洋さんのお話を聞くことができた。

■きっかけはキンキンに冷えた…

大学卒業後、外務省に入省したものの退職し、現在はタイ料理店を経営しているという異色の経歴の持ち主である川口さん。
そんな川口さんの物語は、19歳で初めて飛行機に乗りニュージランドに行った経験から始まる。
様々な人に出会い、違う文化に触れたことがとても刺激的だったと話してくれた。
ここまで話を聞いていると、外国に興味を持ったことが、外務省で働くことに繋がっているのかと誰もが想像するだろう。しかし、川口さんの入省の本当のきっかけはもっと別なところにあったのだ。

「ギリシャの地中海を眺めながら、キンキンに冷えたファンタレモンを飲んだ時に海外で働こうと思ったんですよ」これが、川口さんの入省の本当の理由らしい(笑)。
確かに、綺麗な景色を見ながら飲むジュースは美味しい。けれど、それをきっかけに漠然と海外にいたいなと思った末、外務省に入省することを決めて実現された川口さんは、なんてかっこいいんだろう。
実は、海外でキンキンに冷えた飲み物は珍しいらしく、日本とアメリカ以外に冷えた飲み物が出てきたことに感動したという。なるほど、と頷くものの、まだまだ経験不足の私には理解できるはずもなく、ただただ耳をすませることしかできなかった。

だけど、このきっかけの話が私にとってはとても印象的で、夢のきっかけは本当になんでもいいと教えてもらえたような気がしていた。こうやって自分の周りに転がる小さな幸せを感じる人が、大きな夢を見つけて掴み取っていくんだろうなと。

川口さんの物語が進んでいく中、ガラス窓になっている厨房の向こう側では、シャッシャと炒める音がテンポよく聴こえてくる。音や匂いだけでなく、プロのシェフがフライパンを返す姿を見るだけで私のお腹がきゅるきゅると鳴る。

■カラフルなプレート

今日の旅するトークには、本場のタイ料理が食べられるという特権付き。
タイで食べた味が忘れられず、多くの日本人に「自分の感動した料理を味わってほしい」という想いから始めたタイ料理店。本場の味を再現するために、材料からシェフまでとてもこだわっているという。

メインプレートとして出てきた料理がこちら。

カラフルな食材を使った料理がプレートに綺麗にまとめられていた。
川口さんは、「複数の料理をワンプレートにした方が、参加者の方にとって食べやすく楽しんでいただけるかなと思ってこうしました」とおっしゃっていた。
ここにも、こだわりと優しさが詰まっているのか。胸がほっこり熱くなる。
タイ料理といえば、そう、スパイシーな味が特徴である。そう思いながら一口食べてみると、ジュワッと今まで味わったことのない味を感じた。なんというか、思っていた以上に独特の味がする。でもどこかクセになって食べるのが止まらない。
そんなタイ料理を食べながら、周りからは「美味しい」という言葉が何度も聞こえた。
うん、美味しい。
美味しい料理を食べると会話が弾む、ここでまた井戸端会議は始まっていた。

タイ料理を食べ終えた後は、ケンブリッジからの留学生テシさんが自身の活動をみんなに知ってほしいということで急遽プレゼン。「日本の文化と日本人の心を世界に伝えたい」という想いをもった彼女のプレゼンは本物だった。同じ大学生という立場で、テシさんのように外に向けて発信をしている人を見るととても刺激的である。
そして、自分の経験をシェアするこの旅するトークと何か似たものがあるように感じた。

このイベントを通じて、参加者同士が出会い、そこに新しい物語が生まれる。その物語の連鎖は終わることはないが、当たり前ではないと思うとなんだか不思議な気持ちになった。また、オールドタイランド市ケ谷店にお邪魔して、タイ料理を食べながらこの日のことを思い出したいなと思う。

今日の朝はワクワクして降りた市ヶ谷駅が、なんだか懐かしい地元の駅のように感じながら改札を通った。これが、旅するトークに魅了される理由の一つかもしれない。

広井久美


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