AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

22年度編集長
中村 斐翠

真っすぐな人のきらきらした目が好きです。 正しいときに、正しい重さの言葉を選べるようになりたい。

2022.05.14

NewMake×森竹未来ーありのままを優しく包むニットたちー

和えて special

ー実際にNewMakeしていただいた作品の中で、特に思い入れのある作品は何ですか?

PUMAのスポーツウエアからつくった、ニットドレスです。

photographer/常盤治 Instagram@yohsai1

「静と動」を表現したいと考えていました。
お花ではなく、激しい水の流れや力強い風など、自然そのものの勢いや息遣いを表現してみたいという思いが自分の中にずっとあって。それを、PUMAのスポーツウェアという動きのあるものに乗せたかったんです。
ニットって軽そうに見えて実はすごく重量があるのですが、その差を静と動に近しいものとして表現できるよう、軽やかな見た目と、動いたときの迫力や力強さが伝わればいいなと思っています。くるっと回ったときのスカートの広がり具合や波打っている様子に、その見た目と実際の重さの差を感じてもらえたら嬉しいです。
個人的な話になるのですが、復学して念願のニット科に進めることになった今のタイミングでのNewMakeは、とても思い入れのあるものになりました。今までの窮屈で凝り固まったところから自分を奮い立たせるような気持ちも込めて、ずっと扱ってみたかったテーマを表現しています。

■ありのままでいいということ。
ーニット作品に限らず、制作活動全体を通して、大切にしていることや込めている想いはありますか?

ニットに対してというより、私がお洋服に対して思っていることなのですが、お洋服って全く同じ形でも一着一着に表情というか、喜怒哀楽があるんじゃないかなと思うことがあります。怒っていたり悲しそうにしたりしている服は、身につけていても悲しくなってしまうかなと思うので、着ている時や見ている時に幸せになれる、優しい気持ちになれるような服を作っていきたいです。
もうひとつは、「ありのままでいいということを忘れないでいてほしい」ということです。どんな自分であってもどんな生き方であっても、ありのままが一番美しいですし、たとえ自信が持てなくても、自信が持てないありのままというのがすごく素敵な生き方だしその人だと思います。
私が作るお洋服や、それを身に纏うことを通して、そんな生きる幸せや優しさ、暖かさを感じてもらえたり、それが支えになれたりしたらいいなと思いながら制作しています。

「私なんかで…。」と遠慮がちにはじまった森竹さんのインタビュー。

お話を伺っていくうちに、その不安げな声がだんだんと熱を帯びた力強いものに変化していきました。特に最後のメッセージは、森竹さんだからこそ言える言葉の重さ、深さがあるように感じ、伺いながら心が震えました。

ありのままがいい、自由に作っていきたい、と宣言するのは、簡単なようでいて相当な覚悟がいることだと思います。そんな彼女がこれからどんな作品を作っていくのか。いちファンとしてとても楽しみです。

NewMake:@newmakelabo
森竹未来:@crochet_mof

中村斐翠

 

 

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