AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

早川 遥菜
19年度編集長
早川 遥菜

ハンバーグが大好きと公言していますが、 「母の作る」ハンバーグが大好きなのです。 気持ちに素直な人であり続けるために、 今日も沢山の物語に出会います。

2019.02.27

北海道の”美味しい”は人と人をつなぐ魔法:札幌

和えて special

今回はアリサさんが、卵、牛乳、砂糖を使用しないチョコフィナンシェを持ってきてくれたので、みんなで実食。



ふわふわのフィナンシェ、甘くてしっとりとしていて、卵、牛乳、砂糖が入っていないなんて考えられない。優しいアリサさんが作り出す味はいつまでも味わっていたいくらい美味しかった。

「私の会社名が長いから、領収書をお願いするときはいつも『??』って顔をされながらも、北海道の人は優しいからいつも頑張ってくれるんですよ」
おちゃめな笑顔で話すアリサさん。
そんな北海道の優しい人たちのトークも交えながら、旅するトークは進んでいく。

■想いと一緒に食材を

最後に話をしてくれるのが、またまた不思議な雰囲気をもった、佐々木学さんという方。


物静かな方なのかな…と思っていたが、実は誰よりも熱い人。
佐々木さんは、北海道大学の職員として普段は勤務されているのだが、今日のトークでは全く仕事について語ることはなかった(笑)。代わりに話すのは、とにかく、北海道の食について。
2歳の頃に、冷蔵庫の中に入っていたほうれん草をつまみ食いしたことは、親戚の中で割と武勇伝化。旅行先でお饅頭を買って、車を発進させながら一口かじって、あまりの美味しさに車を止めておかわりを買いに行ったのは、まさに「食いしん坊」という言葉がぴったりである。
そんな佐々木さんは生まれも育ちも北海道。
毎日美味しいものを食べているとその美味しさに慣れてしまい、また外部から来た人に「おいしいね」と言われ慣れていることにも気が付いた。
北海道の人って、実は案外北海道のものを食べていないのでは―
そこで、北海道大学の学生さんに紹介してもらい出会ったのが、「食べる通信」というサービスだった。

「食べる通信」とは、北海道の幸を提供する人の苦悩、想いをまとめた雑誌である。
そんな「食べる通信」を、食材と一緒に家庭に届けることで、より想いが食材に込められ、安心に食べることができる。佐々木さんはそんな素敵な雑誌の副編集長として、文だけではなく、イラストまで(すごくレベルが高い)書かれるスーパーマンなのだ。
そんな佐々木さんが持ってきてくださったエゾシカのスープは、まさに絶品。

…というか、私、シカ肉を初めて食べました。
食べたことのないものにチャレンジするとき、それはすごく勇気がいることだけど、佐々木さんが楽しそうに狩りの様子などを話してくれるから、感謝の気持ちをもって、楽しく食べることができた。

■北海道の人にも魔法がかけられて

今回の「井戸端イム」は、「あなたの好きな一品紹介」。
ゲストの人が考える、「あの町の、あの一品」を、料理名は口に出さずにその料理にちなんだ思い出や想いだけで語るという、簡単そうで難しいと評判の(笑)時間だ。
私はドキドキしていた。北海道の人が考える一品なんて、絶対美味しいに決まっているじゃん。
東京でも行われたこの企画だったが、北海道らしさが出たのは、まさにこの瞬間だった。
「僕の考えたおすすめの一品は、『アスパラ』でした」
え!?アスパラ???
素材そのものが答えに出たのは初めてだった。そうか…北海道はそのものが美味しいから、アスパラだって、お魚だって、それだけでちゃんとした一品なんだ。


一人一人が、思い思いの好きな食べ物を話して、答え合わせをして、そして気が付く。
私と話しているこの人は、誰??
気が付けば、相手の肩書も、名前さえも知らずに話していた。でも好きな食べ物をしっているだけで、なんでだろう、その人のこと、ずっと知っている気がする。
これが、旅するトークの魔法。
うふふ。魔法にかけられた北海道の人を見て、私は嬉しくなった。

■想いが共有されれば

「…まもなく、閉館です(笑)」
受付の人に言われて気が付く。気が付けば、時計は22時をとっくに過ぎていた。
あれ、解散したの、21時なはずなのに(笑)。
いつまでも絶えることのない会話。
北海道も東京も変わらなかった。想いを共有すれば、誰とだって仲良くなれる。
だって誰にだって物語があるのだから。


早川遥菜


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