AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

20年度編集長
鹿子木 千尋

津々浦々と出会いを大切に旅をしています。 一つ一つの思い出を素直な言葉で綴れるひとになりたい。

2020.01.08

すみれさんの 『自然に、優しく、ジュエルソープづくり』

会えて report

◼️午前、渋谷にて…

上り電車に乗ろうか、下り電車に乗ろうか。駅で呆然と一人立ちつくしていたその日の午前、
私は、何としてもいきたいと思っていた会社の採用面接で大失敗をおかした。
午後に石けんづくりのワークショップが控えているが、流石に気力がない。無責任ながらも、一緒に体験に行く予定の編集長に今日は任せて下り電車で帰宅しようかなぁ。そんなことを考えかけたとき、ふと、履歴書の自己PRに書いた「行動した先にある出会いが自分を一番成長させてくれる」という言葉が頭をよぎった。
このような辛いときこそ新しい物語が自分を待っているのかもしれない。そんな物語と出会うために私はAETEでライターをしているんだ。自分で書いたその言葉とAETEに背中を押された私は、心の赴くままに電車に飛び乗ったのだった。

◼️自分の肌にいちばんやさしく

「こんにちは〜。」と迎えてくださったのは、今回のホストであるジュエルソープデザイナーのすみれさん。誰をも包み込むような優しい笑顔に、まだ傷がヒリヒリとしている私は思わず泣きそうになる。「ジュエルソープ」とは、名前の通りきらきらと輝く宝石のような石けん。天然の保湿成分であるグリセリンを含む植物性のグリセリンソープで作られており、敏感肌の人も安心して使うことができる優れ品だ。すみれさんは元々肌が弱い体質で市販のボディソープが合わず、5年ほど前からオーガニックソープを作っていたそう。しかし、オーガニックソープは時間が掛かることに加え、色や柄も同じでつまらない。
そんなときに出会ったのが色鮮やかで様々な柄が楽しめる「ジュエルソープ」だったという。
私もすみれさんと同じく肌が弱い体質なのだが、使うものにこだわった経験はほぼなく、そのせいで肌が荒れることもしばしば。今日のように心が弱っている日は特に、自分を思いやる絶好のチャンスかもしれない。

◼️悩ませる石けんづくり

今日は、私のほか3人の参加者の方と一緒に4種類の石けんを作る。どんなものが出来上がるのだろう。
石けんづくり開始早々「私の教室では生徒さんをとことん悩ませます!」と、笑顔で話すすみれさん。
疑問に思っていると、第一関門はすぐにやってきた。「香り選び」だ。
すっきりとしたものから甘い香りまで何種類もの香りが目の前にずらっと並べられ、たった4つのために5.6分も費やしてしまう始末に…

悩んだ末、「究極の癒し」とテーマづけて私が選んだのはこの3つ(+バンブーの香り)。優しくて甘い香りが、傷を癒してくれた。

次に、第二関門「色選び」。単色の石けんもあれば色をミックスさせる石けんも作るそうで、香りと同様にバリエーション豊富なカラージェルから色を選ばなくてはならない。悩む、悩む。
「すみれさん」の教室というだけに紫好きの生徒さんが集うというので、私も「すみれカラー」をチョイス。どんなグラデーションになるかなと想像しながら色を足したり、他の参加者の方が作り出す色が可愛くて羨ましくなったり、参加者全員が女の子に戻ったようなきらきらとした時間が愛おしく思えた。

◼️輝き続ける

悩みに悩みながら作り続けること2時間30分。
石けんを冷やしていた冷蔵庫が宝箱かと思うほど、本物の宝石のように輝くジュエルソープが完成した。女の子気分が戻らない私たち参加者は、きゃっきゃと興奮しながら写真撮影。

どれ一つとして同じものがない、個性溢れるキラキラとした石けんたちが可愛らしくて眩しくて、
「早く家に帰って使いたい!」全員が口を揃えて話していた。

自分の肌のことを第一に考え、好きなことをして自分の満足度を上げているうちに今の生き方にたどり着いたというすみれさん。すみれさんから漂うあったかくて柔らかなオーラやきらきらと輝く笑顔は、自分を大切にしている彼女の心の内から溢れ出ているように感じた。
今日もし参加しなかったら、私はうまくできなかった自分を責め続けていただろう。
自分を傷つけられるのも大切にできるのも自分ただ一人。
これからどんな挫折をしても、再び自分を鼓舞しながら乗り越えていこう。
そんな意志をすみれさんからもらった。
私は、まだまだ頑張れる。


すみれさんのストーリー(体験)はこちらから

肌にも、習い事も、生き方も、自然で優しい方がいい。

鹿子木千尋

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