AETEとわたし ’21 (太田圭香)
2020年1月、大学3年生の最後の授業の日、先生が「4年生の皆さんお疲れ様でした」と声を掛けていたことをきっかけに、来年の今頃、私も学生として最後の授業を受けているのかぁ…。と、1歳しか変わらないのに妙に大人っぽくみえる4年生の先輩を見ながらぼんやり思い浮かべていた。
この時、まさかこの日が大学の教室で受ける最後の授業になるなんて思いもしなかった。
コロナウイルスが日本でも流行し始めると、4月からの新学期はリモート授業になった。「ゴールデンウィーク明けまで」「前期まで」「後期もオンライン授業」「再び感染が拡大したので入構禁止」
結局4年生になってから一度も大学の教室で授業を受けることはなかった。
虚しくなったり、切なくなったりした。
よく一緒に授業を受けた違う学部のあの子
同じ名前の後輩
売店でいつも優しくしてくれたおばちゃん
きっともう会うことはないだろう。また会えると思ったのに。
次があると思っていたことがあったからこそ、残念に思ってしまう。
明日なにが起きるか分からない、歩けなくなったり、死ぬこともあると言われたことがあるけれど、分かった気がする。
誰かや何かと突然別れなくてはいけない時が『普通』に来るのだなと。
私は3月の下旬に北海道に引っ越すことが決まっている。
引っ越すことが決まってから今日このころまで、直接お別れの言葉と今までありがとうという気持ちを伝え、またの再会を願える機会が何度かあった。
突然の別れがあると分かった今だからこそ、これが本当に幸せなことだと感じる。
最後に、最近よく思うことがある。
人類みんな良く頑張ってきた!特にこの1年は。
見えないものに怯えたり、家族や大切な人を心配したり、将来に不安を感じたり、他人の行動に怒りを覚えたり、なにかを諦めたり…。
辛いと感じることがみんなそれぞれあったと思う。
それらの感情に耐えながらよくやってきた。
だから頑張ったご褒美があっていいと思う。どうか近いうちに1人1回ずつなにかとても幸せなことが起きてほしい。
太田 圭香