AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

2020.11.06

アエテ interview

いや、そのような分野に関わりがあったわけではないですね。

これまで仕事をする上で、「これをやったら面白い!」「こんなことができるんじゃないか?」という想いと情熱を大切にしてきました。 データを積み重ねて解を出すようなやり方だと、誰がやっても正解は同じで、価格や速さで競う世界になってしまいます。今みたいに変動的で、不確かな時代だからこそ、唯一無二の、アートや発想、パッション。そういうところに、人はより興味を持ってくれるのではないか、という気がしています。

 

エントランスにて。柔らかい光がこぼれる。

  • 今だからこそ、できること

 

―たくさんの想いをこめて創業され、軌道に乗ってきたところで、急速に世界を脅かした新型コロナウイルス。MOGANAへの影響はどのようなものだったのでしょうか。

今も、影響はまだまだ続いています。どんな影響になるのか、どんな影響にするのか。それは、まだわからないことです。

1年半MOGANAをやってきていて、コロナが流行する以前は、半分がインバウンドで、日本から来てくださる方も7,8割は東京の方だったので、影響も大きかったです。

しかし、私たちはこのままでは終わらせたくない。ここまで楽しくやってきていて、まだまだこれから、というところです。

 

―宿泊業、そして観光業には、新型コロナウイルスはやはり大きな影響を及ぼしていると思います。その中で、どのような施策を行ってこられたのでしょうか。

この苦境のなかでどうしようか、となったときに、今人々は何を求めているのか、と考えました。外にも出られないし、希望も見えない。そうなったときに、みんなでちょっと先の楽しいこと考えたら、面白いんじゃないか。それで、今MOGANAができることとして、クラウドファンディングをやろう、ということになりました。

そして、お金ももちろんだけれど、「こんな想いでホテルを創り、これからも続けていきたい」ということを、この時期だからこそ、大きく伝えられる。想いを伝えるプラットフォームとして、クラウドファンディングを使おうと思いました。納品していただいている方々とも、一丸となってやろうと、商品をリターンに使わせていただいたりして、「私たちは、京都でこのようなことをしています」と、伝えようと思いました。

実際に足を運んでいただきたくて、MOGANAの宿泊券もリターンにしました。はじめは、取引先の方だったり、取材いただいたライターさんだったり、つながりのある方々が協力してくださいました。たくさんの方々にメッセージをもらって、ひとつひとつのメッセージに勇気をいただきました。積みあがっていく金額に、想いと共感を感じました。最終的には、174名の方からご支援をいただきました。

 

-174名。すごいですね。クラウドファンディングを行って、MOGANAにはどのような影響があったのでしょうか。

5月1日にクラウドファンディングを始めて、リターンの発送を始めたのが7月。

この間にも、MOGANAをお休みにしていた間は会えなかったスタッフ達と一緒に、どういう梱包をしようかみんなで考えたりするのが、すごく楽しかったです。取引先の方の商品をリターンとしてお届けした後も、支援者の方々から、「ものすごく美味しかったです」「良かったです、ありがとうございました」と“ありがとう”の言葉をいただいて、それがまたとても嬉しかった。スタッフも自宅待機で不安だったと思うけれど、クラウドファンディングの進捗をひとつひとつ共有したりすることで、一体感を得られました。

クラウドファンディングでMOGANAを知ってくださった方もたくさんいらっしゃいます。最近は宿泊券を使って泊まりに来てくれているお客さんもいらっしゃって、「よかったね」「美味しかったよ」という言葉をいただいたり。もうファミリーみたいで、すごくいいお客さんに出逢えているな、と思っています。やる前には、ここまでとても予想できていなかった。今はまだ泊まりに来てくれていないお客さんもいつかは来てくれるし、いつか来ようと、きっとMOGANAのことを見てくれていると思います。そんな素敵な方たちが、174人もいてくださった。そのことが、とても嬉しいです。

 

ロビーにて。大徳寺の近くにある、アマノコーヒーさんの美味しいコーヒーをいただいた。このコーヒーも、クラウドファンディングのリターンとして提供されていた。

―今だからこそ、MOGANAへの想いを伝える。きっとその想いに、励まされたり、MOGANAへ訪れる未来が楽しみになった方がたくさんおられると思います。まだ、以前の概念のような“旅”がいつできるようになるかわからない状況ですが、MOGANAはどう進んでいくのでしょうか。未来に対する想いをお聞かせください。

これからやっていきたいこととしては、「旅」以外でもお客様との接点を作っていく、ということです。京都の地で体験を通して行う「学び」や、ブライダルなどの「ライフスタイルイベント」、MOGANA membersという「コミュニティ」。コロナで一旦中断になってしまったけれど、東京のカルチャーセンターと提携して、茶道、華道のフィールドワークを京都で行う、というものを企画していたりもしていました。MOGANAは神社やお寺とのつながりも持たせていただいています。上賀茂神社で式を挙げて、天龍寺の塔頭で会食する。そんな、誰もやったことのないようなブライダルを、MOGANAなら実現できます。

 

唯一無二の体験を提供するMONAGA ecperienceにて。宝厳院の新緑。

―MOGANAは「旅」にとらわれず、様々な“体験価値”を提供されるブランドになるのですね。現在、特に力を入れておられるものは何になるのでしょうか?

現在の状況の中、特に力を入れてご提案しているのが、 “京都住まい”としてMOGANAをご利用いただくコミュニティ、MOGANA membersです。そのコンセプトは、“日常のひと時を想い出に変える”。

今は旅行にも行きにくいし、移動にも気を使います。移動して頭を切り替える、ということがなかなかできません。一見不自由になってしまった日常生活の新たな楽しみ方として、「デュアルライフ=京都での2拠点生活」を提供したい。

現在のMOGANAのお客様は、関西からの方が8割で、ご近所から来てくださる方もいらっしゃいます。MOGANAができたのは知っていたけれど、近いから来る機会がなかった、というお客様がいらっしゃって、お部屋でゆっくり過ごしたり、近くを散歩して、美味しいものを食べて、バーでおしゃべりして、次の日もお昼までゆっくりして、帰って行かれます。

 

―素敵ですね。そこにもやはり、”唯一無二の体験”がつまっているのでしょうか。

京都は「~さんのお知り合いだったらいいよ」という、つながりでできている社会。MOGANAには、「MOGANAさんからお客さんが来てくれたらいっつもこれだすねん」と1品サービスしてくれるところや、私たちが「○○さん行くからね」と言ったら素敵なものを用意してくれる、つながりのあるお店がたくさんあります。だから、私たちにはレストランもカフェも必要ありません。

MOGANA membersでは、そのMOGANAのコンシェルジュ機能を活かして、“日常のひと時を想い出に変える”ためのサービスをたくさん用意しています。お気に入りの映画やCDジャケットを予めお伝えしていただき、そのテーマでネイルをしていただけるネイリストの方にネイルをしていただいたり、恵文社の選書マネージャーの方に、キーワード1つで3冊選んでいただいたり。ネイルも読書も日常に根付いているもの。けれど、一つ一つストーリーをつけて、大きく期待したり、深く感動したりすることで、いつもやっていることでも、すごく幸せな気持ちになることができます。そういうものをたくさん、ご提案していきたいと思っています。

 

  • 壁があるからこそ、見える世界がある

 

ロビー。厳選した書籍が置かれ、リトリートなどのイベントも催される。

―MOGANAが提供すること、ものは、見た目の美しさやもちろん、そこにあるストーリー、気づきやインスピレーションを与えるものである、というのがMOGANAのコンセプト。お話をお聞きしていて、繁田さん自身がこのコンセプトを体現し、伝えようとしておられる、強い想いと情熱を感じます。お仕事をされている中で、大変なこともたくさんあるのではないかと思うのですが、なぜ、繁田さんは進み続けることができるのでしょうか。

本音を言ってしまうと、仕事がものすごく楽しいです。

もともと好奇心が強いので、仕事を通じて色んな場所に行けて、色んな方と話せる、というのが、自分にとってはとても価値のあること。

そうして出会った方と一緒に創りあげていくのも、プレッシャーはあるけれど、そういうところで燃えるタイプです(笑)そういうときに得られる学びが好き。また、普段から「体験価値はどこにあるのか?」と考えながら生活していて、そうして発見した面白いものをシェアできる点に喜びを感じています。

最近だと、この状況下だからこそできる新たなサービスが誕生しました。

これがきっかけで、お部屋でご夕食をとっていただける新しいプランもできました。

この状況下でも、色々なことを楽しそうにやっていると、他にも様々な方から、「協力できるよ」「こんなのもあるよ」とお声をかけてもらえたりもしています。

 

―リクルート、教師、そしてMOGANA。一見、それぞれ関係性の薄いお仕事に見えるのですが、お仕事の中で一貫して大事にしておられることは何なのでしょうか。

やっぱり、仕事の中で好奇心を満たす、ということが自分にとって大事な気がしています。

リクルートでももともと1番興味のなかった教育分野に配属されました。しかし、想いがあるけれど、それを十分に実現できていない人に出会うと、力になりたい、という気持ちがでてきます。「どうやったらその想いを実現できるか」というのが自分の好奇心になります。

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