AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

2020.11.13

アエテ interview

『タビマチ』は、
どこかに活動拠点を持ち”旅やまちを彩る”お仕事をされている方々へ
歩んできた物語やまち・ひとへの想いを伺うインタビュー連載です。
彼らの物語や想いに触れ「会いたい!話してみたい!」と思ったら
次はあなたが素敵な人々がいる、あのまち、あの場所へ、旅をしてみて下さい。

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前回のCafe Hütte(カフェ ヒュッテ) 望月さんにご紹介頂き、
北茅ヶ崎の自家製酵母パン「JiJi(ジジ)」石木さんの取材に行きました!
神奈川県茅ヶ崎市〜東京都八王子市を結ぶ小さな路線、相模線。
その中の北茅ヶ崎駅がお店の最寄り駅です。
茅ヶ崎駅から小さな電車に乗ると少し旅気分♪
茅ヶ崎と言えばサザンオールスターズや海の印象が強いですが、北茅ヶ崎は海の反対側。
海の反対側ってどんなまちなんだろう?そんなお話も伺いました。

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◼️ お店を始めた理由

-最初に、パン屋さんを始めた理由を伺いたいです。

大学時代は現代美術を学んでいました。作ることが好きで、そういう仕事に就きたかったんです。でも絵とかは何か違うなぁと思っていて。それでなんとなく、街のパン屋さんに勤めてみようと思って始めました。
最初は茅ヶ崎駅近くのパン屋で働いていたんですが、その後鎌倉のKIBIYAベーカリーで働きました。オーナーが女性の方ですごく良い人でチームワークもよく、お店って楽しいなと思いました。

-その後独立されたのは何かきっかけがあったのでしょうか?

実はこの建物はもともと祖父の家だったんです。
祖父が亡くなった時に、この家を継ぐ人がいなくて。
その時までは「いずれ独立してパン屋ができたらいいなぁ」と思う程度だったんですが、
その時突然「お店やりたい!」と思ったんですよね。
決めたあとは無理やりでしたけど、両親も説得して。
だから店名のJiJiにも、祖父(じじ)の意味が込められています。

-そうなんですね。思い出の場所で営むお店…どんなお店にしようと思いましたか?

KIBIYAベーカリーで天然酵母や国産小麦を扱っていたことに影響を受けて、自分のお店を持つなら国産小麦がいいなぁと思っていました。
でもKIBIYAベーカリーと同じものを出すのではなく、北茅ヶ崎のまちの人に喜ばれるような、まちの人の日常にあるようなパンを作りたいと思いました。
メニューはその点を大事に考えています。

-メニューはお1人で決めたんですか?

最初は父が手伝ってくれていたんです。
パン屋の経験は無いのですが一緒にやりたいと言ってくれて。
クランベリークリームチーズのパンとか抹茶あんぱんにクリームチーズ入れたりとか、かわいいメニューをたくさん考えてくれました。
今は引退して手伝って無いんですけどメニューは引き継いでいて、中でもチョコ食パンは開店当初からずっと人気の商品です。

-チョコ食パン、贅沢な味でとっても美味しかったです!他にも人気のメニューはありますか?

最近はバターあん塩ぱんも人気です。
桜の時期に桜の酢漬けを乗せたあんぱんを出したらとても人気で、お客様から桜の時期以外にも食べたいと要望があったんです。それで通年で出せる形にしてメニューに加えました。
ちなみにパンのあんこは母が作ってくれています。他にカレーやカスタードクリームも母が作ってくれています

-お父様もお母様も手伝ってくださるなんてすごいですね!

家族ぐるみじゃないとやっていけないので(笑)
でもそのおかげで何種類もパンが出せるようになりました。

◼️ 人との距離が近いまち

-1人でお店を始めた時、寂しさはなかったですか?KIBIYAベーカリーさんは「チームワークがよく楽しかった」とおっしゃっていたので、ギャップがありそうだなと思いました。

寂しさはありました。チームで一緒に仕事をしていると、達成感も得られますしね。
でも家族も手伝ってくれたし、お客様が情報をくれたりするんです。
それが楽しくて、1人でやってる感じがしないんですよね。
独立するまではお客さんとの接点はあまり無かったけれど、今は接客するのも自分。
そうするとお客様とお話することになるし、いろんなジャンルの方がくるのでおもしろいです。

-お客様がフレンドリーにお話してくださるのは土地柄なんでしょうか?

そうだと思います。
「美味しい」という口コミを聞いて来店される方も多く、良い人が多いです。

-お客様はお店の周辺の方が多いですか?

このお店が徒歩圏内という人も多いけれど、海側の人もわざわざいらしてくれます。
パン屋めぐりで寄ってくださる方もいますね。自転車で来店される方も多いです。

-駅から歩いてくる時、自転車に乗っている人が多いなぁと感じていました。

茅ヶ崎は坂がないので自転車に乗る人が多いです。
一家に1人1台、車よりも自転車という感じ。
茅ヶ崎北京という言葉があるくらい(笑) 

-茅ヶ崎北京!初めて聞きました(笑)

通勤時などに茅ヶ崎駅前が自転車で混雑することからそう呼ばれるようになったみたいです。(笑)
今はだいぶ整備されたみたいだけど、そんな言葉が生まれるくらい自転車はマストです。

-おもしろいですね!そんな茅ヶ崎の良さ、中でもお店のある北茅ヶ崎の良さって何だと思いますか?

何もないところだと思います。駅ビルもないし、のどか。
相模線沿いはごみごみしてないし、神奈川の中にこういう駅があるんだという風景が広がっている。
もう少し山側に向かうと、トトロのような景色が広がっているところもあるんですよ。
でも北茅ヶ崎は山までいかないので、地面もフラット。
だから自転車に乗れば海にも行ける。茅ヶ崎駅にも近い。
ちょうどいいまちだなと思います。

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