AETE あの人がいるから旅したくなる。アエテ

2020.12.04

アエテ interview

『タビマチ』は、
どこかに活動拠点を持ち”旅やまちを彩る”お仕事をされている方々へ
歩んできた物語やまち・ひとへの想いを伺うインタビュー連載です。
彼らの物語や想いに触れ「会いたい!話してみたい!」と思ったら
次はあなたが素敵な人々がいる、あのまち、あの場所へ、旅をしてみて下さい。

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「こんにちは!お邪魔しま〜す!」
こまちカフェはくつを脱いで店内に入るというスタイル。
もうその時点でリラックスモードになってしまいそうな雰囲気でした。
インタビューを始める前に、店員さんおすすめのきび抹茶オレと豆乳プリンを頂きました。どちらも美味しかったです!
ゆっくり味わった後、守家さんにインタビューに答えて頂きました。

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「子育てがまちの力で豊かになる社会」を作っていきたい

-まずはじめに、こまちカフェを始めたきっかけを教えてください。

(こまちカフェの運営元である) こまちぷらすの森代表はご自身の経験から、
社会から切り離されてしまったように感じているお母さんたちが「一人で子育てを頑張らなくてもいい」と思える社会のしくみをつくりたいという想いを持っていました。
そこで、子育て中のお母さんたちが気を許せる場所、子育てが「まちの力」で豊かになる社会を作るために、こまちカフェが誕生しました。

-守家さんはその想いに共感して一緒にお店を始めることになったのですか?

いえ。実は私は立ち上げに全く関わっていないんです。

-そうなんですね。ではどのような経緯で守家さんはお店と関わるようになったのですか?

元々、旧店舗(戸塚区平戸にあった頃)、こまちカフェにランチを食べにに行きました。
その時に、自分と同じ子育てをしているお母さんたちが働いている姿に感銘を受けて…。自分もなにかできないかと思い、東口の店舗がOPENする時にボランティアを始めました。

はじめは自分自身がまちづくりや社会課題を解決する、良くしていくという感覚はなかったのですが…。ボランティアを通しこまちぷらすの理念である「子育てがまちの力で豊かになる社会」を自分も一緒に作っていきたいと思うようになりました。

-ボランティアきっかけで関わるようになったのですね。

はい。そして、キッチンリーダーや、手づくり雑貨のhaco⁺のリーダーや、ボランティア登録会などの担当を経て、現在は、こまちカフェの店長を務めることになりました。

店長として、この街をお母さんたちが子育てをしやすい街にしたいという想いを持ちお店を開いています。

■誰もが安心して集える場所に

-続いて、カフェで提供されてるカフェのメニューや料理についてお伺いします。
なにかこだわりなどはありますか?

料理で使用している野菜は地元戸塚区のこま農園さんから仕入れたものを使うということにこだわっています。
他にも、お客様が料理を見たり食べたりして、「わぁ!!」と感動してもらえるメニューにしようと心がけていますね。

-お料理見た目だけでも美味しそうです!

また、アレルギーを持っている人でも食べられるメニューにしています。
自分の子どもがアレルギー持ちで…。アレルギーがあることで、友達と外食ができないということがありました。その経験から、アレルギーを持つ子たちがそれを原因に孤立してしまわないようにしたいなと。
なので、こまちカフェでは卵、乳製品、小麦粉を使わないメニューになっています。
アレルギーを持っている子でも、アレルギーを持っていない子でも、みんな一緒に食事をしてもらいたいと思っています。

-すてきなこだわりですね。

アレルギー対応メニューは開発が本当に大変で。キッチンメンバーが、何度も試作を重ねてメニューを作ってくれています。

-本当に子どもたちのことを思われているからこそ、メニュー開発が大変だったとしても、卵、乳製品、小麦粉を使わないメニューにこだわることができているのだと思います。温かい愛を感じますね。

■お母さんたちが社会と繋がるきっかけをつくる

-続いて、こまちカフェではカフェ以外にイベントの開催や雑貨販売を行われています。まずはイベントを開催する理由についてお伺いしたいです。

外にでるきっかけを作る事ができたらいいなぁと思います。
イベントは1つだけではなく、様々なイベントがあることで、それだけお母さんや、地域の方の足を運ぶきっかけが増えています。
自分たちだけでできなかった、孤立したお母さん達が、まず外にでるきっかけをつくっています。
カフェや、雑貨のお買い物にはお金を使えないけれど、子供の為ならつかってもいいという方もいますし…。

-子どもを優先するあまりに自分を犠牲にしがちになってしまっているのですね。

カフェに来るいろいろな方の感覚を感じているから、それを想像しながら企画したり、作られたイベントもあります。
イベントは地域の方も参加できるようなイベントから、0歳児のおしゃべり会やヨガなどを行っています。
またこまちぷらす主催のイベントでは、子どもの発達に心配のある親御さんが話したり学んだりする場、ダブルケア(子育てと介護を同時に行うこと)の渦中であったり関心があったりする方向けの場、不登校をテーマにしたおしゃべり会等を開催しています。

イベントを通して「自分だけじゃないんだ」「ああ、こうやって考えればいいんだ!」と気持ちが楽になったと参加者の方からお声をいただいています。

-子どものためと思って参加したイベントで、お母さんたち自身の不安が取り除けるのは良いことですね。
次に雑貨を販売する理由はなんですか?

家の中に閉じこもってしまうお母さんたちの外出するきっかけになればと思っています。
こまちカフェで販売している雑貨はSNSに投稿しています。その投稿を見て「かわいい雑貨が売っているんだな。お店にいってみよう!」「外にでてみよう!」と思ってくれたらなと。
また、お母さん達の得意が活かせる場として、家にいながら働ける場になったらいいなと思っています。

そして、雑貨の一部に、使っている素材が、途上国の支援になったり、環境に配慮した素材を使用したものもあります。
カフェでお買い物をして、物を通して「つながり」を感じてもらえたら嬉しいです。

-それはどうしてですか?

子育てだけをしていると、私もそうでしたが、「社会にとって自分は役に立てていない」という気持ちになることがあります。
手づくりの物は、1つ1つに作り手の想いがあるので、そんなお母さん達が、雑貨を購入することで、社会とのつながりを感じてもらえたらよいなと思います。

■こまちカフェなら行きたいと、そう思える場所に

-最後に、こまちカフェが街の人々にとってどんな場所でありたいですか?

子育て中のお母さんたちが落ち着いたり、ホッとできたりする場所でありたいです。
例えば、子どもを抱っこやおんぶし続けることってとても大変なんですね。でも普通の飲食店では子どもを床におろすということが中々できないじゃないですか。
こまちカフェではマットを用意しているので、抱っこからおろせるようにしています。
実際にこのカフェに来て「やっと抱っこからおろせたぁ」というお母さんもいました。

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