AETEは”まちの魅力やまちを彩るひとの物語”をお届けするメディアです。
そして1つ1つの物語に書き手の想いをのせることも大切にしています。
そこでAETEの書き手のことも知っていただきたいと思いました。
編集部内で行ったインタビュー、AETEのヒト×ヒト。書き手同士の想いのかけ算をぜひお楽しみください。
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私がインタビューしたのは遠藤ぴあのさん。
お互いAETEに加わったばかりで、まだまだ知らないことだらけ。
出会いたての距離感だからこそ出来る話、ということで彼女の昔と今についてインタビューさせて頂きました。
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■東京から海外へ。大きな決断の先にあった学び
-今日はよろしくお願いします!呼び方はぴあのちゃんでいいのかな。
はい!周りの人からも名前で呼ばれることが多いです。
-初めてお会いした時から素敵な名前だな~と思っていたんだけど、ご家族から名前の由来を聞いたことはある?
母親が長いことピアノを習っていて。ピアノを弾いてると幸せな気分になるように、娘にも周りの人を幸せにできるようになってほしいという意味でつけたらしいです。
-由来まで素敵だ…。今はアメリカに住んでいるんだよね。ずっとアメリカに住んでいるんですか?
高校までは日本に住んでいました。地元は渋谷で、友達の家が近いこともあって出かけるのも渋谷駅周辺が多くて、馴染み深いです。
-都会っ子だなあ。そして、大学進学を機にアメリカへ。大学ではどんな勉強をしているの?
今大学2年生で専攻を決めていないので、色んな分野の授業を履修しています。映画学、ロマン神話、ドイツ語、哲学入門、犯罪学、コンピューターサイエンス….
-幅広い!その中で印象に残っている授業はある?
映画学の、ハリウッドスタイルの映画とアートシネマ(大衆向けに作られていない、実験的・芸術的な映画)の関係についての講義です。
アートシネマって意味が分からないというか、結局「これ何だったんだろう?」っていう違和感の残る映画、という印象なんですけど…。何で観客に伝わらないような映画を作るのか、ずっと疑問だったんです。だけど、アートシネマはわざと撮影の仕方や物語の構成を気持ち悪くすることで、ハリウッド系の映画に潜む典型的な社会の在り方に私たちの感覚や価値観は影響されていることを気付かせようとしている、というのを知って。面白いな~!と思いました。
-確かに面白い。お話を聞いていて、当たり前とされている事柄をもう一度見つめ直す、みたいな姿勢を大事にしているなと思いました。
授業では「あなたはどう思う?何故?」と問われることが多くて、楽しいです。そういう環境を求めて大学を選んだっていうのもあります。
-へえ!大学を選んだ理由、もっと詳しく聞きたいです。
まず、以前から興味のあった映画学と同時に、他の学問にも触れられる所に行きたくて。そのような環境は日本には少なかったので、自然と海外に目が向きました。加えて、高校まで日本の学校に通っていたけど、あまり好きになれなかったというのも海外進学を考え始めたきっかけです。大体教科書やプリントを使って問題を解いて、わからないところを先生が解説するっていう授業で。何で私は毎日学校に通って、こういう授業を集団で受ける必要があるんだろう?って思っていました。今の大学は人同士の対話を重要視しているところです。教科書を書いてる人の意見だけじゃなくて、一緒に学んでいる人々の意見を知ることが出来るのが面白いです。
あと、どうしても規模の小さい大学がよかったんです。人数が多いと一人ひとりとの関係が薄くなってしまう気がしていたので、小さいコミュニティの中で密な関係を築いてみたいなと思いました。
-ちゃんと目的意識をもって大学を選んでいるところ、尊敬します。
■新天地、アメリカでの生活
-住んでいる街はどんなところ?
インディアナ州にあります。周りには私の背の2倍くらいあるトウモロコシ畑があって、大きめのスーパーまで歩いて1時間かかるような所に住んでいます。
土日のどちらかは外食することが多いのですが、ごはんのお店は5軒くらいあって….そこでローテーションして楽しんでいます。
-そうなんだ。ちなみに行きつけのお店はありますか。
タコスのお店、美味しいです。外食するときは大体そこに行きます。
-ということは大体週1でそこに行くんだね。
よく考えると結構な頻度ですね(笑)
-周りの環境や食べ物もそうだけど、日本とアメリカで生活スタイルがガラリと変わったと思うのよね。そのギャップはどう思いましたか?
ギャップはあるはずなんですけど、あまり気にならないですね。中学・高校と帰国子女の人が多くて、普段一緒に過ごしていた友達もそうだったので、日本にいた頃から今と似たような環境にいたからだと思います。
あ、でもアメリカのトイレは慣れないです。壁が薄くて扉が小さくて。床と扉の距離がすごく開いてて、足元がよく見えるんですよね…
-アメリカのトイレの話、初めて知りました。それは慣れるのが難しそう。
落ち着かないですよね。早く出なきゃと毎回思っています。
■チャレンジ精神を形作った、演劇の経験
-授業以外の大学生活についても聞きたいです。サークル等には所属していますか?
高校卒業から今の大学が始まる9月まで日本の大学に通っていたのですが、そこでロック研究会に入りました。
-そのサークルに入ったのは何故?
歌うのが好きなんです。中高では演劇部だったので、あまり歌うチャンスがなくて。一時期、学外のミュージカル劇団に所属していた時にやらせて頂いた歌の練習が楽しかったので、大学でもやろう!と思いました。
-演劇部だったんだ!映画学の話を聞いていても感じたけど、そういった芸能関係の道に進みたいと思ったことはあるのかな。
中学時代は演劇の道に進みたい気持ちもありました。なので、芸能事務所に入ったり、講習を受けたりして。高校生になっても演技をすることは好きなままだったので、そこでも演劇部に入ったり劇団に所属したり….。結局留学や受験のために辞めざるを得なかったんですけど。
-そうなんだ。部活動での演劇と、学外での演劇の両方を経験してみてどうだった?
芸能事務所や劇団は、プロを目指して「この道で生きていくぞ」という人がたくさんいる環境でした。部活動だったら何かしらの役割は与えられるし、やりたいことの希望が通りやすくて好きな経験が積めると思うんですけど、芸能界や劇団の人たちは限られたスポットライトを争っていて。覚悟を決めてやるときはやらなければいけないんだ、と実感を持って知りました。
-そういう経験は今にも活きている?
そう思います。何事にも尻込みせず、やってみようと思ったらチャレンジできます。
■新たな挑戦、AETEについて
-では最後に、AETEと出会ったきっかけを教えて下さい。
幼少期に自分で物語を書くようになってから書くことがずっと好きでした。自分の想像している素敵な世界を、文章を通していかに共有するか・楽しめるかを試行錯誤するのが楽しいんです。なのでライターに絞ってインターンシップを探していたんですが、その時に出会ったのがAETEでした。書きたいものも探しながら求人サイトを見ている最中、AETEは異彩を放っていたんです。
-AETEのどんなところが目に留まったのかな?
まず文体がタイプでした!遊廓書店の記事を読んで、「街を形作る物語を自分らしい言葉で伝える、こんな文章を書きたい!」と思いました。その後、他の記事も読んでいく中で、AETEの人を大事にするコンセプトに惹かれていきました。
-そんなぴあのちゃんは、今後やってみたいことはありますか。
まずは文章と写真の技術を磨いていきたいです。
そして、「人を感動させたい」という気持ちがずっとあるので、物語の制作を通して人の心に触れられるような活動をしていきたいと思っています。
-ありがとうございました!
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お話したのは今回が初めてでしたが、インタビューから垣間見える、内に生まれた疑問から目を逸らさずに向き合う姿勢がとても印象的でした。なんとなく社会に通底している価値観にとらわれず、自分なりの目線を大事にするぴあのちゃん。彼女の言葉は、きっと誰かを幸せにできると思います。
加藤和希