『タビマチ』は、
どこかに活動拠点を持ち”旅やまちを彩る”お仕事をされている方々へ
歩んできた物語やまち・ひとへの想いを伺うインタビュー連載です。
彼らの物語や想いに触れ「会いたい!話してみたい!」と思ったら
次はあなたが素敵な人々がいる、あのまち、あの場所へ、旅をしてみて下さい。
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2020年7月26日。神奈川県藤沢市にオープンした「cafe yokoron:」
6月のプレオープン中に取材させて頂きました。
店主の洋子さんにお店が生まれるまでの物語、そして、地域やお店への想いを伺いました。
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―本日はよろしくお願いいたします!早速ですが、洋子さんがカフェをオープンしようと思ったきっかけを教えていただけますか?
昔からずっとカフェが好きで、いつか自分のお店をオープンしてみたいなぁと憧れを持っていました。
でも叶わぬ夢だと諦めていたんです。
ところが3年ほど前にある出来事があり、それがきっかけで本格的にやってみようかなと思うようになりました。
―へえ〜!3年前に何があったのですか?
いつもお世話になっている美容師さんから、「ここの美容室の一階でカフェをやってくれる人を探しているんですよ」というお話がありました。しかし自信がなくて「私がやりたいです!」と言えませんでした。その後に「やってみればよかった。」と、とても後悔して。次にチャンスがあるのなら絶対に始めたい!そのために勉強を始めよう!と意志が固まったんです。
―なるほど。その悔しさがスイッチとなり、本格的なカフェオープンへの道のりが始まったのですね。カフェを始めるためにどんな勉強をされていたのですか?
まずカフェスクールに通い、財務面やお店をどう運営するのかを学びました。
同じ夢を持った仲間が集まっていたので、たくさん刺激をもらいました。
それから、実際にカフェで働く経験も必要だと考え、大好きな辻堂のカフェ「ヒュッテ」さんで働けたらいいなと思いました。
そして、訪れた際に「ここで何かお手伝いできることはありませんか?」と声をかけてみたんです。
そしたら、たまたまこれから働ける方を探していたらしく、お手伝いさせていただけることになりました。
そのお店では、開店作業・閉店作業・仕込みなどお店の運営を一通り学ばせて頂きました。
―行動力がすごいですね。一気に色々と動き始めた感じがします。
はい。カフェ出店の話からカフェスクールへの通学、ヒュッテさんで働くチャンスなど…いろんな出会いが重なって、沢山のことにチャレンジすることができました。
◾︎ 一歩踏み出せた背景には、家族の応援
―独り立ちしよう!と思ったのはいつ頃、どんなタイミングだったのでしょうか。
今年の年明け頃から意識し始めました。
きっかけは、ヒュッテさんで一人でお店を運営する経験をして自分のお店をはじめる自信とイメージがついたからです。そして、子どもたちの応援が背中を押してくれたのも大きかったです。
―素敵なお子さん方ですね。本日、長男のだいちさんに同席いただいていますのでその時のお話を是非伺いたいと思います。だいちさんはなぜお母さんの背中を押そうと思ったのですか?
だいちさん:来年、僕と弟が二人とも社会人になるのですが、「僕たちが社会に出たらこれまで僕たちを中心に暮らしてきたお母さんの生活はどうなってしまうのだろう」と心配していたんです。そんな時に母が「本格的にカフェを開きたい!」という気持ちになり、カフェスクールに通ったり家でメニューの研究もするようになって、順調に頑張っているように見えました。あとは気持ちの面で背中を押してあげることが大切だと思ったんです。
―家族みなさんの応援があって、洋子さんは一歩踏み出せたのですね。
やはり実際にお店を持つことに対して、怖いという気持ちが拭いきれなかったので、
子どもたちの応援がなかったら始められていなかったと思います。感謝しています。
◾︎ 念願のカフェオープン
―プレオープンをしてみて、反響はいかがですか?
驚くことに沢山お客さまが来てくださっています。皆さんとっても優しい方ばかりで、何度も来てくれる方も多いんです。年齢層も幅広いですし、たまに年配の男性がお一人で来て下さることもあって嬉しいです。
―プレオープンの段階から、多くの方々に愛されているなんて素晴らしいですね。
お店を開こう!と決心してから、プレオープンの間までで大変だったことはありましたか?
メニューを考えることですかね。ギリギリまで悩んでしまって、子どもたちに「早く決めな!」と怒られました(笑)
―特に試行錯誤したメニューは何ですか?
カレーですかね。豚肉をマリネ液でつけて柔らかくして、スパイスを調整して作っています。完成するまで我が家の晩御飯は毎日カレーでした(笑)
―私も先日いただきましたが、いろんなスパイスが効いていて味わい深く美味しかったです。お一人だと仕込みが大変ではないですか?
そうですね。夜中までかけて仕込んでいます。
―夜中ですか!大変ですね。お客さまに喜んでもらえるために想いを込めて作られているんですね。
だいちさん:夜遅くまで仕込んでいるときは心配になります。
その上もっとメニューを増やしたいと言い出すときもあるので、びっくりします(笑)
―お店を作る上でこだわったポイントはどこですか?
とにかく「あたたかい空間を作る」という点です。
リラックスして、いい時間を過ごせたな〜と思っていただけるような空間づくりにこだわりました。
まず、お店の場所。メイン通りではなくあえて落ち着きのある通りに構えました。
あと、外の光が入りやすいように、間口周辺の扉を外してガラスに入れ替えたり、
店内の扉や枠なども自分たちでDIYをして作ったり。
家具や食器も1つ1つ温かみのあるものを選んでいます。
―なるほど。小さなこだわりの積み重ねがあたたかな空気を醸し出しているのですね。
確かに私も先日お邪魔したとき、あまりの居心地の良さに長居してしまいましたし、気持ち良くて眠ってしまいそうなほどでした。笑
ありがとうございます(笑)頑張って作ってきてよかったです。
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